24年1〜11月の豚肉生産量は前年同期並み
チリ農業省農業政策・調査局(ODEPA)によると、2024年1〜11月の豚肉生産量は、53万7500トン(前年同期比0.1%増)と前年同期並みとなった(図1)。また、と畜頭数は、507万頭(同0.7%増)と前年同期をわずかに上回った。
同国の養豚は、飼料の多くを隣国であるアルゼンチンなどからの輸入に依存していることから、その価格動向が豚肉生産に大きく影響している。22年は、飼料穀物価格高などを背景に豚肉生産量は減少したが、23年に入り価格が低下し、24年も低水準で推移したことなどから、豚肉生産量の回復につながったとみられる。
24年1〜11月の豚肉輸出量は前年同期比2.4%減
2024年1〜11月の豚肉輸出量は、18万2370トン(前年同期比2.4%減)と前年同期をわずかに下回った(表)。最大の輸出先国である中国向けが減少する一方、日本や韓国向けなどが増加したため、全体でわずかな減少にとどまった。
輸出先国別に見ると、中国向けは6万2286トン(同19.8%減)と前年同期を大幅に下回った。これは、中国国内の豚肉需要が弱いことや、冷凍品在庫の積み増しにより輸入豚肉の需要が落ち込んだためである。この結果、輸出量全体に占める中国向け比率は、前年同期(41.6%)から7.4ポイント低下して34.2%となった。また、輸出単価も、中国の需給動向を反映して同10.0%安と前年同期をかなりの程度下回った。一方、これに次ぐ輸出先である日本向けは3万8733トン(同9.4%増)、韓国向けは3万5972トン(同15.4%増)となった。これらに加え、コロンビアやコスタリカなど中南米向けが増加した。
中国向け輸出量が減少する中、チリは24年12月、果実および食肉の輸出に関連した覚書を中国と締結した。これにより、従来の冷凍食肉に加え、冷蔵食肉や冷凍畜産副産物の中国向け輸出が可能となった。チリの業界団体は、今回の覚書の締結により中国市場におけるチリ産食肉の競争力が強化され、高品質食肉の供給元としての地位向上につながるとしている。
24年の肉豚生産者販売価格は年間を通じて大幅に変動
2024年12月の肉豚生産者販売価格は、前年同月比28.6%安の1キログラム当たり1.05米ドル(163円:1米ドル=155.43円(注))と前年同月を大幅に下回った(図2)。
肉豚生産者販売価格の推移を見ると、23年12月から24年3月にかけて11月の価格から半値以下(55.1%安)に急落した。これは、中国向けを中心に輸出需要が低迷したことなどが影響したとみられる。24年4月以降は上昇に転じ、同年9月には同1.94米ドル(同302円)と21年7月以来の高値を記録したが、その後は再び下落に転じるなど、輸出需要の変化などを背景に1年を通じて価格は大きく変動した。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年1月末TTS相場。
(調査情報部 井田 俊二)