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海外需給【牛乳・乳製品/EU】畜産の情報 2025年3月号

好調な乳製品需要を要因に生産者乳価は高水準を維持

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24年11月の生乳出荷量、前年同月比1.6%増
 欧州委員会によると、2024年11月の生乳出荷量(EU27カ国)は1106万8000トン(前年同月比1.6%増)と前年同月をわずかに上回った(図1、表)。主要生産国別に見ると、フランス(同1.8%増)、ポーランド(同3.9%増)、スペイン(同0.9%増)、アイルランド(同33.6%増)が前年同月を上回った一方、ドイツ(同1.9%減)、オランダ(同0.4%減)、イタリア(同1.2%減)は前年同月を下回った。
 アイルランドの大幅な生産増の要因は、前年同月は生乳取引価格が生産費を下回ったことや悪天候による放牧期間の短縮による大幅な生産減があったことに加え、現地報道によると、(1)23年の悪天候による繁殖時期の遅れが生乳生産のピークを24年後半にずれ込ませたこと(2)乳価の上昇と飼料費の低下が乳量の増加を支えたこと(3)乳業メーカーからの増産要求が高まったこと―とされている。一方、ドイツの生産減の要因としては、乳用経産牛飼養頭数がやや減少していることが、同国の1〜11月の累計生乳出荷量の減少につながったとされている。
 



 
 
24年12月の生乳取引価格、前年同月比15.8%高
 欧州委員会によると、2024年12月の生乳取引価格(EU27カ国の平均)は、100キログラム当たり53.95ユーロ(1キログラム当たり87.32円:1ユーロ=161.86円(注)、前年同月比15.8%高)と7カ月連続で前年同月および前月を上回った(図2)。高値で推移するバターやチーズ価格にけん引されて生乳取引価格は堅調に推移している。
 
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年1月末TTS相場。


 
 
25年1月のバター価格、年末需要期が明け、前月からやや下落
 欧州委員会によると、2025年1月19日の週の乳製品価格(EU27カ国の平均)は、脱脂粉乳は100キログラム当たり253ユーロ(1キログラム当たり410円、前年同期比0.3%高)と前年並み、全粉乳は同429ユーロ(同694円、同16.9%高)と前年同期を上回った(図3)。
 バターは同740ユーロ(同1198円、同36.1%高)と前年同期を大幅に上回ったものの、前月同期比3.6%安と年末の需要期の価格帯からやや下落した。チーズは同477ユーロ(同772円、前年同期比34.1%高)、前月同期比でも6.5%高となった。域内外からの堅調な需要が、チーズ価格の上昇に寄与している。
 

 
(調査情報部 渡辺 淳一)