季節的生産ピークを過ぎても生乳生産量は好調を維持
ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2024年12月の生乳生産量は2649万トン(前年同月比1.4%増)とわずかに増加し、6カ月連続で前年同月を上回った(図1)。ニュージーランド証券取引所(NZX)は、季節的な生乳生産のピークを過ぎた後も、同国の主産地を含むほとんどの地域で好調な生産が続いているとしている。一方で、同国の酪農家の間では、乾燥気候による牧草の生育環境悪化が懸念されている。
今後の生乳生産の懸念材料としてNZXは、(1)盛夏を迎えて、牧草の生育環境の悪化が進む可能性(2)ラニーニャ現象が発生した場合、晩夏(注1)は例年より雨が多く風が強い状態が続くことから、干ばつから一転して多雨による放牧地の状態が悪化するおそれ―があることを挙げている。
(注1)ニュージーランドは南半球に位置するため、季節は北半球と逆に12月から2月が夏に当たる。
24年12月の乳製品輸出量、主要4品目で増加
ニュージーランド統計局(Stats NZ)によると、2024年12月の乳製品輸出量は、主要4品目で前年同月を上回った(表、図2)。脱脂粉乳およびバターは中国向けが、全粉乳はマレーシアおよびナイジェリア向けが、チーズは英国および中国向けがいずれも増加した。
25年1月21日のGDT平均価格、主要4品目で前回開催を上回る
2025年1月21日開催のGDT(注2)平均取引価格は、主要4品目でいずれも前回開催時(25年1月7日)を上回った(図3)。北アジアからの購入が増加したことから、全乳製品の平均取引価格は1トン当たり4146米ドル(64万4413円:1米ドル=155.43円(注3)、前回比2.9%高)となった。NZXによると、前回開催時よりも欧州の購入量が2倍に増加し、その要因は疾病などの影響によるものと分析されている。また、価格上昇となった脱脂粉乳および全粉乳は、フォンテラ社の粉乳供給量の減少が、今回の価格上昇の要因とされている。
(注2)グローバルデイリートレード。月2回開催される電子オークションで、当該価格は乳製品の国際価格の指標とされている。
(注3)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年1月末TTS相場。
(調査情報部 田中 美宇)