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国内需給【牛乳・乳製品】畜産の情報 2025年4月号

1月の全国の生乳生産量、6カ月連続で前年同月を上回る

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北海道の生乳生産量、前年同月比3.9%増
 令和7年1月の生乳生産量は、63万2176トン(前年同月比1.9%増)と6カ月連続で前年同月を上回った(図1)。地域別では、北海道が36万5489トン(同3.9%増)となり、6カ月連続で上回った。一方、都府県では、26万6687トン(同0.8%減)と7カ月連続で下回った。
 1月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは31万1047トン(同0.4%増)と、4カ月連続で前年同月を上回った。このうち、業務用向けについては2万3237トン(同0.6%減)と2カ月連続で前年同月を下回った。
 乳製品向けは31万7586トン(同3.6%増)とやや上回り、6カ月連続で増加した。これを品目別に見ると、クリーム向けは5万9694トン(同2.1%増)と5カ月ぶりに上回り、チーズ向けは3万8650トン(同1.4%減)と3カ月ぶりに下回った。一方、脱脂粉乳・バター等向けは、17万3663トン(同4.9%増)と前年同月をやや上回り、6カ月連続での増加となった(農畜産業振興機構調べ「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。

 
全国の牛乳生産量、5カ月連続で前年同月を上回る
 1月の牛乳等生産量を見ると、飲用牛乳等のうち牛乳は、25万454キロリットル(前年同月比0.3%増)と5カ月連続で前年同月を上回った。一方、成分調整牛乳は前年割れが継続しており、1万7144キロリットル(同4.9%減)とやや下回った。加工乳については、1万3063キロリットル(同6.8%増)とかなりの程度上回った。また、はっ酵乳は8万8376キロリットル(同12.5%増)とかなり大きく上回った。はっ酵乳は今年度に入って以降、6月を除いて前年同月を上回って推移しているが、冬季のインフルエンザなどの感染症の流行により、免疫機能への注目が高まったことでヨーグルトの消費が後押しされたなどと業界では推測されている。
 
1月のバター在庫量、前年同月比13.3%増
 1月のバターの生産量は、7441トン(前年同月比7.2%増)と前年同月からかなりの程度増加し、6カ月連続で前年同月を上回った(図2)。出回り量は4910トン(同15.0%減)と前年同月をかなり大きく下回った(農畜産業振興機構調べ)。1月末の在庫量についても、2万5693トン(同13.3%増)となり、5カ月連続で前年同月を上回った(図3)。




 
 
 
1月の脱脂粉乳生産量、前年同月比6.2%増
 1月の脱脂粉乳の生産量は、1万5084トン(前年同月比6.2%増)と前年同月からかなりの程度増加し、6カ月連続で上回った(図4)。一方、出回り量は1万2729トン(同4.6%増)と7カ月ぶりに上回った(農畜産業振興機構調べ)。在庫量は、在庫低減対策の効果もあり、令和4年10月以降前年同月減で推移していたが、1月末は5万2854トン(同0.9%増)と、前月に続き前年同月を上回った(図5)。



 
令和6年1人当たり牛乳・乳製品支出金額、2年連続で前年を上回る
 総務省が令和7年2月に公表した家計調査によると、6年(1〜12月)の全国1人当たりの牛乳・乳製品の支出金額は1万3915円(前年比3.2%増)と2年連続で前年を上回った(図6)。これは、原材料費やエネルギー価格の高騰、円安などの影響による製品価格の値上げなどが要因と考えられる。
 内訳を見ると、牛乳が5524円(同1.9%増)、ヨーグルトが4876円(同4.1%増)、チーズが2464円(同2.6%増)と前年を上回り、バターは474円(同8.6%増)とかなりの程度上回った。
 

 
(酪農乳業部 山下 侑真)