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海外需給【牛肉/米国】畜産の情報 2025年4月号

24年の牛肉輸出量は前年比1.1%減、25年も引き続き減少予測

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25年1月の牛総飼養頭数は前年比0.6%減
 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2025年1月1日時点の牛総飼養頭数は8666万2000頭(前年同月比0.6%減)とわずかに減少し、6年連続で前年を下回った(注1)(表1)。内訳を見ると、繁殖雌牛(肉用牛)が同0.5%減、未経産牛(肉用牛)が同1.0%減といずれも減少した。また、同年2月1日時点のフィードロット飼養頭数は1171万6000頭(同0.7%減)とわずかに減少した。
 米国農務省動植物衛生検査局(USDA/APHIS)は25年2月1日、メキシコからの生体牛輸入の再開(注2)を発表した。輸入再開に伴い今後メキシコからの肥育牛供給の増加が見込まれることから、25年の牛肉生産量についてUSDAは、前月予測から35万1500トン上方修正した1204万9700トン(前年比1.6%減)と予測している。
 
(注1)海外情報「牛群再構築の遅れから牛飼養頭数の減少止まらず(米国)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_004027.html)をご参照ください。
(注2)米国は2024年11月22日、メキシコ南部の牛からラセンウジバエが検出されたことを受け、同国からの生体牛輸入を一時的に停止していた。詳細は、海外情報「米国農務省、メキシコからの生体牛輸入の再開を発表(米国)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_004026.html)をご参照ください。
 

 
25年1月の肥育牛価格、前年同月比15.4%高
 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2025年1月の肥育牛価格は100ポンド当たり204.23米ドル(1キログラム当たり678円:1米ドル=150.67円(注3)、前年同月比15.4%高)とかなり大きく上昇した。
 
(注3)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年2月末TTS相場。


 
 
24年の牛肉輸出量は前年比1.1%減、輸入量は同24.4%増
 USDA/ERSによると、2024年12月の牛肉輸出量は11万7414トン(前年同月比3.2%増)とやや増加した(表2)。24年累計(1〜12月)では136万2292トン(前年比1.1%減)とわずかに減少し、2年連続の減少となった。輸出先別に見ると、最大の輸出先となった日本向けは29万992トン(同0.3%増)と前年並み、続く韓国向けは28万5836トン(同6.2%減)、中国向けは21万5282トン(同5.5%減)といずれも減少した。一方、メキシコ向けは堅調な需要により、15万5395トン(同7.8%増)とかなりの程度増加した。
 24年の牛肉輸入量は、国内の牛肉生産量が減少する中、堅調な需要により210万2557トン(同24.4%増)と大幅に増加した(表3)。輸入先別では最大の豪州が同67.1%増と大幅に増加した他、ブラジルが60.6%増、ウルグアイが同72.3%増、アルゼンチンは同37.3%増となり、南米の主要輸出国からの輸入が大幅に増加した。
 25年の牛肉輸出入量についてUSDAは、国内生産量の減少が見込まれることから、輸出量は126万7800トン(同6.9%減)、輸入量は216万3600トン(同2.9%増)と予測している。



 
 
(調査情報部 伊藤 瑞基)