畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > 24年の豚肉輸出量は前年比4.3%増、25年は同2.5%増の予測

海外需給【豚肉/米国】畜産の情報 2025年4月号

24年の豚肉輸出量は前年比4.3%増、25年は同2.5%増の予測

印刷ページ
25年1月の豚肉生産量、前年同月比1.2%増
 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2025年1月の豚と畜頭数は1146万7300頭(前年同月比0.9%増)とわずかに増加した。また、飼料安から平均枝肉重量も増加したことから、同月の豚肉生産量は113万4800トン(同1.2%増)とわずかに増加した(図1)。
 25年の生産量見込みについてUSDAは、国内外の堅調な需要が続く中、24年9〜11月にかけての産子数の増加や、平均枝肉重量の増加も見込まれることから、前年をわずかに上回る1294万1000トン(前年比2.7%増)と予測している。

 
25年1月の豚肉卸売価格は前年同月比4.7%高、消費量は増加傾向
 USDAによると、2025年1月の豚肉卸売価格(カットアウトバリュー(注1))は、100ポンド当たり91.07米ドル(1キログラム当たり303円:1米ドル=150.67円(注2)、前年同月比4.7%高)と前年同月をやや上回った(図2)。近年、米国の豚肉消費量は増加傾向にあり、24年は999万トン(前年比1.6%増)と前年を上回るなど、堅調な需要が価格を下支えしている。
 同月の肥育豚価格についても、同59.34米ドル(同197円、同19.1%高)と前年同月を大幅に上回った。
 
(注1)各部分肉の卸売価格を1頭分の枝肉に再構築した卸売指標価格。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年2月末TTS相場。
 

 
24年の豚肉輸出量、前年比4.3%増
 USDA/ERSによると、2024年12月の豚肉輸出量は29万2900トン(前年同月比0.3%増)と前年並みであったが、24年累計では322万7400トン(前年比4.3%増)とやや増加した(表)。同年の輸出量を輸出先別に見ると、最大の輸出先であるメキシコ向けは、堅調な需要から120万6900トン(前年同月比3.7%増)やや増加した。また、韓国向けは30万90トン(同12.0%増)とかなり大きく増加した。一方、日本向けは円安や現地相場高の影響により、47万8100トン(同2.2%減)とわずかに減少した。そのほか、輸出量は少ないながらも豪州向けが12万2500トン(同30.6%増)と大幅に増加した。豪州は豚肉輸入の約半分を米国産豚肉が占めており、同国向け輸出増の要因としてUSDAは、近年、豪州に在住する移民の増加に伴う豚肉消費の増加を挙げている。
 25年の豚肉輸出量についてUSDAは、生産量の増加などから330万9000トン(前年比2.5%増)と見込んでいる。


 
 
(調査情報部 伊藤 瑞基)