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海外需給【豚肉/中国】畜産の情報 2025年4月号

24年の豚肉生産量は前年に続き高水準、豚肉輸入量は大幅減

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24年12月末の繁殖雌豚頭数、前年同月比1.6%減
 中国農業農村部によると、2024年12月末時点の繁殖雌豚頭数は4078万頭(前年同月比1.6%減)となった(図1)。同頭数は、同部が最適な水準としている3900万頭を4.6%上回っている。


 
 
24年12月の豚と畜頭数、前年同月比4.6%増
 2024年12月の豚と畜頭数は、4162万頭(前年同月比4.6%増)と前年同月からやや増加し、前月比では30.5%増と大幅に増加した(図2)。この要因について現地報道によると、例年2月上旬ごろの旧正月(春節)が、25年は1月末ごろとなったことを受け、出荷のピークが12月に前倒しとなったためとされている。
 24年の豚と畜頭数は1月、10月、12月を除き、前年を下回ったものの、12月の増加の結果、24年の豚肉生産量は5706万トン(前年比1.5%減)と前年比でわずかな減少にとどまり、高水準を維持した。
 

 
25年1月の豚肉価格、前年同月比14.4%高
 2025年1月の豚肉価格は、前月比0.2%安の1キログラム当たり27.9元(580円:1元=20.80円(注)、前年同月比14.4%高)となった(図3)。一方、豚肉生産にも影響する同月の子豚価格は、前月比2.4%高の同34.0元(707円、同46.3%高)となった。
 今後の豚肉価格と子豚価格について中国農業農村部は、25年2月に公表した「農産物需給動向分析月報(2025年1月)」の中で、24年5月以降、繁殖雌豚頭数が増加傾向で推移したため、旧正月後の豚肉需要の閑散期も豚の出荷頭数は増えることから、短期的に下落する可能性が高いとしている。
 
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年2月末TTS相場。
 
 
 
24年の豚肉輸入量、前年比31.8%減
 2024年の豚肉輸入量は105万724トン(前年比31.8%減)となり、最大の輸入先であるスペインをはじめ、すべての主要輸入先で前年同期を大幅に下回った(表)。この要因について現地専門家は、(1)中国の豚肉生産能力の回復から国産豚肉の供給量が十分であること(2)豚肉価格が低水準であった23年に国産の冷凍豚肉の在庫が増えた一方で、健康志向の進展などから豚肉の消費が低迷し、24年を通して国産の冷凍豚肉の在庫が高水準で推移したこと―を挙げている。

 
 
(調査情報部 平山 宗幸)