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海外需給【鶏肉/中国】畜産の情報 2025年4月号

24年の鶏肉生産量は過去最高の見込み

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24年の家きん総出荷羽数は前年比3.1%増の170億羽超の見込み
 中国国家統計局によると、2024年の家きん総出荷羽数は173億4000万羽(前年比3.1%増)と統計上、初めて170億羽を超え、家きん肉生産量は2660万トン(同3.8%増)と、いずれも前年をやや上回った。また、同年12月末の家きん飼養羽数は64億8000万羽(同4.5%減)となった。この要因について現地報道によると、健康志向などを背景に急増する鶏肉などの需要を満たすため、産卵サイクルを早めた家きんの出荷が行われたことで、飼養羽数の減少につながったとされている。
 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)の直近見通しによると、25年の中国の鶏肉生産量(注1)は1550万トン(同1.0%増)とされ、過去最高を記録した24年を上回ることが見込まれている(表1)。この要因として、飼料コストの減少や中国国内の優良遺伝子を用いた生産能力の強化が挙げられている。
 
(注1)同国では、家きん肉生産量のうち約6割が鶏肉であるとされている。鶏肉の生産割合については『畜産の情報』2020年5月号「中国の肉用鶏産業の現状と鶏肉需給の見通し」2 肉用鶏産業の概要(1)家きん産業における肉用鶏産業の位置付け(https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_001123.html#title3)をご参照ください。
 

 
24年の鶏肉市場価格、前年同期比0.7%安
 中国農業農村部によると、2025年2月第2週の鶏肉市場価格は1キログラム当たり23.54元(490円:1元=20.80円(注2)、前年同期比3.0%安)と前年同期をやや下回った(図)。
鶏肉供給量の増加などから、同価格は24年に入りおおむね前年を下回って推移している。
 
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年2月末TTS相場。

 
24年冷凍鶏肉輸入量、前年比27.8%減
 2024年の冷凍鶏肉輸入量は92万6571トン(前年比27.8%減)と、前年を大幅に下回った(表2)。輸入量の減少について現地報道は、中国国内で十分な鶏肉供給が行われたことを挙げている。
 25年の鶏肉輸入見通しについてUSDA/FASは、中国国内の生産量増加に加え、主要輸出国の家畜感染症や為替相場の影響などから、前年を下回って推移するとしている。


 
 
24年の鶏肉調製品輸出量、前年比18.3%増
 2024年の鶏肉調製品の輸出量は35万4365トン(前年比18.3%増)と、前年を大幅に上回った(表3)。主要輸出先を見ると、日本向けは引き続き首位を維持しており、香港や英国、オランダ向けなども増加している。25年の鶏肉調製品の輸出見通しについてUSDA/FASは、鶏肉生産量の増加により国内需給が緩和することで輸出可能な量が増加することから、前年を上回って推移するとしている。
 


 
(調査情報部 田中 美宇)