24年12月の生乳生産量、前年同月比1.0%減
デイリー・オーストラリア(DA)が2025年2月に公表した「Milk Production Reports」によると、24年12月の生乳生産量は前年同月比1.0%減の79万8685キロリットル(82万2646トン相当)となり、前月に引き続き前年同月を下回った(図1)。
この結果、24/25年度上半期(7〜12月)の累計生乳生産量は、前年同期比0.9%増の465万7766キロリットル(479万7499トン相当)となった。
一方、豪州のRURAL BANK(注)が公表した2月の酪農動向に関する報告によると、(1)24/25年度に入り豪州の主要な酪農地帯であるビクトリア州西部で干ばつが続き、24年9月以降は前年比1〜2.5%程度の減産が続いていること(2)豪州気象庁(BOM)が今後も当面は乾燥状態が続くと予報していること−から生乳生産量は前年比で減少すると予測されている。
(注)2000年に設立され、豪州の農村部を中心に400以上の拠点を持つ銀行。
24年12月の主要乳製品の輸出量、全品目で増加
DAが2025年2月に公表した「Dairy Export Summary」によると、24年12月の主要乳製品4品目の輸出量は、全品目で前年同月を上回った(表、図2)。
脱脂粉乳は、中国向けが減少したものの、ベトナムやインドネシアなどの東南アジア向けおよびニュージーランド(NZ)向けが大きく増加したことを受け、前年度比で大幅に増加した。全粉乳は、中国およびタイをはじめとした東南アジア向けが増加したことを受け、大幅に増加した。バターおよびバターオイルは、マレーシアやタイなどの東南アジア向けのみならずメキシコやNZなどからの引き合いも強まったことを受け、かなり大きく増加した。チーズは、主要輸出先である日本や中国などアジア向けが堅調に推移したことを受け、大幅に増加した。
東南アジア向けの乳製品輸出量が拡大する中、2005年に発効したタイ・豪州自由貿易協定(TAFTA)に基づき、25年1月1日からタイが輸入する豪州産の全粉乳、チーズ、バターなどの関税が撤廃された。今後の豪州産乳製品の輸出拡大への効果が注目される。
(調査情報部 平山 宗幸)