季節的な生乳生産のピークを過ぎても好調を維持
ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2025年1月の生乳生産量は2385万トン(前年同月比2.6%増)とわずかに増加し、7カ月連続で前年同月を上回った(図1)。ニュージーランド証券取引所(NZX)は、季節的な生乳生産のピークを過ぎた後も、主産地を含むほとんどの地域で好調な状況が続いているとしている。
また、2月の生乳生産量については、良好な気象条件下で牧草地の生育が良好なことなどにより、前年同月を上回ると予想している。
25年1月の乳製品輸出量、主要4品目で増加
ニュージーランド統計局(Stats NZ)によると、2025年1月の乳製品輸出量は、主要4品目で前年同月を上回った(表、図2)。脱脂粉乳は中国向けが、全粉乳はバングラデシュ向けが、バターは中国および豪州向けが、チーズは中国および日本向けがいずれも伸びたことで輸出量が増加した。
25年2月18日のGDT平均価格、主要3品目は前回を下回る
2025年2月18日開催のGDT(注1)平均取引価格は、バターを除く主要3品目はいずれも前回開催時(25年2月4日)を下回った(図3)。東南アジアや中東からの関心が弱まったものの、北アジアからの予想以上の購入に加え、ヨーロッパおよびアフリカからの購入増から、全乳製品の平均取引価格は1トン当たり4370米ドル(65万8428円:1米ドル=150.67円(注2)、前回比1.7%高)となった。
(注1)グローバルデイリートレード。月2回開催される電子オークションで、当該価格は乳製品の国際価格の指標とされている。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年2月末TTS相場。
(調査情報部 田中 美宇)