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国内需給【牛乳・乳製品】畜産の情報 2025年6月号

7年3月の全国の生乳生産量、2カ月ぶりに前年同月を上回る

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北海道の生乳生産量、前年同月比4.5%増
 令和7年3月の生乳生産量は、66万1411トン(前年同月比2.3%増)と、前年がうるう年であったために減少した2月を除き、前年8月から前年同月を上回る傾向が続いている(図1)。地域別に見ると、北海道は37万9164トン(同4.5%増)と8カ月連続で上回った。一方、都府県は28万2247トン(同0.4%減)と9カ月連続で下回った。




 
 3月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは、31万360トン(同1.1%増)と2カ月ぶりに前年同月を上回った。このうち、業務用向けについては、2万5598トン(同1.1%増)と4カ月ぶりに上回った。
 乳製品向けは、34万7491トン(同3.6%増)と2カ月ぶりに前年同月を上回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは、6万1551トン(同0.1%減)と前年同月並みとなり、チーズ向けは4万696トン(同1.1%増)と3カ月ぶりに上回った。脱脂粉乳・バター等向けは、19万5835トン(同4.6%増)と前年同月をやや上回り、8カ月連続での増加となった(農畜産業振興機構調べ「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
 
全国の牛乳生産量、2カ月ぶりに前年同月を上回る
 3月の牛乳等生産量を見ると、飲用牛乳等のうち牛乳は、24万6811キロリットル(前年同月比0.9%増)と2カ月ぶりに前年同月を上回った。一方、成分調整牛乳は、1万7111キロリットル(同5.6%減)となり前年同月を下回る状況が継続している。加工乳は、1万2418キロリットル(同5.1%減)と3カ月ぶりに下回った。また、はっ酵乳は8万8148キロリットル(同3.7%増)と9カ月連続で上回った。
 
3月のバター在庫量、前年同月比11.2%増
 3月のバターの生産量は、8253トン(前年同月比6.2%増)と前年同月に比べかなりの程度増加し、2カ月ぶりに上回った(図2)。出回り量も、生乳生産の伸びに伴い、8114トン(同9.9%増)とかなりの程度増加し、3カ月ぶりに上回った(農畜産業振興機構調べ)。3月末の在庫量については、2万7159トン(同11.2%増)と、昨年9月以降連続して前年同月を上回った(図3)。
 






 
 
3月の脱脂粉乳生産量、前年同月比3.9%増
 3月の脱脂粉乳の生産量は、1万6803トン(前年同月比3.9%増)と前年同月に比べやや増加し、バター同様、2カ月ぶりに上回った(図4)。一方、出回り量は1万8831トン(同7.1%減)とかなりの程度下回った(農畜産業振興機構調べ)。3月末の在庫量は、5万2027トン(同9.0%増)と、4カ月連続で前年同月を上回った(図5)。
 





 
 
令和6年度の生乳生産量、3年ぶりに増産
 令和6年度の生乳生産量は737万3284トン(前年度比0.7%増)と前年度をわずかに上回り、3年ぶりの増産となった。地域別に見ると、北海道は426万4091トン(同2.1%増)と3年ぶりに上回った一方で、都府県は310万9193トン(同1.3%減)と3年連続で下回った(図6)。なお、全国の生乳生産量に占める北海道のシェアは57.8%、都府県は42.2%となり、シェアの差は拡大基調で推移している。
 6年度の生乳処理量のうち牛乳等向けは、減少傾向は継続しながらも、382万743トン(同0.5%減)とわずかな減少にとどまった。これは、5年度中の乳価改正に伴う製品価格の値上げなどによる消費減退の影響が一巡し、年度後半にはほぼ前年同月を上回って推移したことによるものと考えられる。一方、乳製品向けは350万7114トン(同2.0%増)と3年ぶりに上回った。
 牛乳等の生産量については、飲用牛乳等のうち牛乳が307万1686キロリットル(同0.3%減)と前年度並みにとどまったものの、3年連続で減少した。成分調整牛乳は21万2936キロリットル(同8.5%減)と前年度をかなりの程度下回り、7年連続での減少となった。一方、加工乳は、14万7558キロリットル(同1.1%増)と前年度をわずかに上回り、4年連続での増加となった。
 



 
(酪農乳業部 田中 麻紀)