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海外需給【牛肉/ 米国】畜産の情報 2025年6月号

25年2月の牛肉輸出量、国内生産量の減少などから前年同月比6.9%減

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25年3月の牛肉生産量は前年同月比2.1%増
 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2025年3月の牛と畜頭数は248万4000頭(前年同月比1.0%減)とわずかに減少した。一方、同月の1頭当たり枝肉重量は395.5キログラム(同3.1%増)とやや増加した。この結果、同月の牛肉生産量は97万7000トン(同2.1%増)とわずかに増加した(図1)。
 


 
 25年3月のフィードロット導入頭数は184万1000頭(前年同月比5.1%増)とやや増加した。これは、前月に、悪天候の影響で一部地域での導入が遅れたことなどにより、3月の導入頭数が増加したためとみられる。また、同月の出荷頭数は172万5000頭(同1.1%増)とわずかに増加した。この結果、同年4月1日時点のフィードロット飼養頭数は、1163万8000頭となり、牛群が縮小傾向にある中で、国内の堅調な牛肉需要などを背景に、前月比では0.5%増とわずかに増加したものの、前年同月比では、1.6%減とわずかに減少した(図2)。
 



 
25年3月の牛肉卸売価格、前年同月比4.8%高
 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2025年3月の牛肉卸売価格(カットアウトバリュー(注1))は100ポンド当たり323.25米ドル(1キログラム当たり1023円:1米ドル=143.57円(注2)、前年同月比4.8%高)とやや上昇した(図3)。
 
(注1)各部分肉の卸売価格を1頭分の枝肉に再構成した卸売指標価格。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年4月末TTS相場。
 

 
 
25年2月の牛肉輸出量は前年同月比6.9%減
 USDA/ERSによると、2025年2月の牛肉輸出量は、同月における国内の牛肉生産量の減少や牛肉価格の高騰に加え、前年がうるう年であったことから、10万3136トン(前年同月比6.9%減)とかなりの程度減少した(表)。輸出先別に見ると、日本向けは2万3739トン(同1.5%減)、中国向けは1万5555トン(同16.4%減)、メキシコ向けは1万2045トン(同12.1%減)とそれぞれ減少した。一方、韓国向けは2万2522トン(同1.9%増)とわずかに増加した。
 中国向け輸出について、中国海関総署(GACC)による米国内の牛肉輸出施設の認可登録更新が行われていないものがあり、これら施設から同国への輸出ができなくなっている(注3)。25年の牛肉輸出量についてUSDAは、中国向け輸出が他の輸出先に一部振り向けられる可能性はあるとしつつも、前月から6万1000トン下方修正の121万8000トン(前年比10.6%減)と見込んでいる。
 
(注3)USDAによると、牛肉については654の施設のうち、25年2月に4件、同年3月18日時点で386件が期限切れとなっている。海外情報「米国農務省、停止状態の中国向け食肉輸出認可施設の登録更新を公表(米国)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_004076.html)も併せてご参照ください。
 



 
(調査情報部 小林 大祐)