25年1月の豚総飼養頭数、前年同月比0.9%減
カナダ統計局(Statistics Canada)によると、2025年1月1日時点の豚総飼養頭数は1386万頭(前年同月比0.9%減)とわずかに減少した(表1)。内訳を見ると、繁殖豚が121万頭(同1.6%減)、肥育豚は1264万頭(同0.9%減)となった。繁殖豚頭数は、カナダ国内の主産地4州(注)のうち、オンタリオ州のみ増加したが、他3州では、食肉処理・加工施設の閉鎖に伴う処理頭数の削減などが生産者の増頭意欲の低下につながったとみられ減少した。
25年のカナダの豚肉生産量について米国農務省(USDA)は、と畜頭数の減少(2140万頭、同0.3%減)などから208万トン(同0.5%減)とわずかな減少を見込んでいる。
(注)主産地4州は、マニトバ州、オンタリオ州、ケベック州、アルバータ州で、全体の飼養頭数の9割以上を占めている。
25年1〜2月の生体豚輸出量、前年同期比1.4%増
カナダ統計局によると、2025年1〜2月の生体豚輸出頭数は120万頭(前年同期比1.4%増)とわずかに増加した(図)。カナダ国内で豚肉の消費量が減少し、食肉処理加工能力が低下する中で、米国の需要増により堅調に推移したものとみられる。一方、25年のカナダの生体豚輸出頭数についてUSDAは、豚総飼養頭数の減少や北米内の不透明な貿易環境から、658万頭(前年比2.7%減)とわずかな減少を見込んでいる。
25年1〜2月の豚肉輸出量は前年同期比13.4%増、輸入量は同11.3%減
カナダ統計局によると、2025年1〜2月の豚肉輸出量は日本、メキシコ、韓国向けなどの増加から、21万2600トン(前年同期比13.4%増)とかなり大きく増加した(表2)。一方、同期間の豚肉輸入量は、カナダドル安で推移する為替相場や国内需要の減少の影響から、2万1100トン(同11.3%減)とかなり大きく減少した(表3)。
25年のカナダの豚肉輸出量についてUSDAは、国内生産量の減少や不透明な貿易環境などから、136万6000トン(枝肉換算ベース、前年比4.7%減)とやや減少すると見込んでいる。また、同年の豚肉輸入量は国内需要の低迷などから、23万トン(同5.0%減)とやや減少すると見込んでいる。
(調査情報部 大西 未来)