25年2月の生乳生産量、前年同月比4.8%減
デイリー・オーストラリア(DA)が2025年4月に公表した「Milk Production Reports」によると、25年2月の生乳生産量は前年同月比4.8%減の57万2353キロリットル(58万9524トン相当)となり、24年11月以降、4カ月連続で前年同月を下回った(図1)。
この結果、24/25年度(7月〜翌6月)2月までの累計生乳生産量は、前年同期比0.1%減の593万8534キロリットル(611万6690トン相当)となった。
24/25年度の生乳生産量について、豪州農林水産省(DAFF)と豪州農業資源経済科学局(ABARES)が25年3月に公表した「Agricultural Commodities Report」では、(1)24/25年度の生産者乳価が下落し、酪農家の利幅が減少することで廃業が進むこと(2)酪農家の廃業による乳牛飼養頭数および生乳生産量の減少が、乳用牛1頭当たり乳量の増加による生乳生産量の増加を上回ること―などから、834万キロリットル(859万トン相当、前年度比0.4%減)と予測している(注)。
25年2月の脱脂粉乳および全粉乳の輸出量が減少
DAが2025年4月に公表した「Dairy Export Summary」によると、25年2月の主要乳製品4品目の輸出量は、品目ごとに大きく異なる動きを見せた(表、図2)。
脱脂粉乳は、タイやマレーシア向けが増加したものの、輸出量全体に占める割合が高い中国、インドネシア、ベトナム向けが大きく減少したことを受け、前年同月比で21.3%減と大幅に減少した。全粉乳は、中国およびアラブ首長国連邦向けが増加したものの、輸出量全体に占める割合が高いタイ向けが減少したことなどを受け、同6.3%減とかなりの程度減少した。
一方、バターおよびバターオイルは、マレーシアやタイなど東南アジア向けが増加したほか、メキシコやニュージーランドなどからの引き合いが強かったことを受け、同27.6%増と大幅に増加した。
また、チーズは、主要輸出先である中国向けに加え、インドネシアやフィリピンなど東南アジア向けが堅調に推移したことを受け、同18.5%増と大幅に増加した。
(調査情報部 平山 宗幸)