25年3月の生乳生産量、前年同月比0.6%増
ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2025年3月の生乳生産量は176万3000トン(前年同月比0.6%増)と前年同月をわずかに上回った(図1)。ニュージーランド証券取引所(NZX)によると、北島では乾燥した天候が継続しているものの、南島の酪農地域では天候に恵まれたことで、3月の生産量は堅調を維持したとされている。北島の状況について現地報道によると、3月に北島のタラナキ、ワイカト地域など主要酪農地帯での干ばつが報告されているが、高水準にある生産者乳価を背景として、生乳生産量を確保するために例年より多くの補助飼料(パーム核かす、コーンサイレージなど)が給餌されている。他方で、補助飼料の確保が困難な生産者は、例年より4〜6週間早く乾乳期に入っている。
今後の生乳生産量についてNZXは、北島を中心に乾乳期を迎える生産者が増加することで、前年を下回ると予想している。
25年3月の乳製品輸出量、全粉乳を除く主要3品目で増加
ニュージーランド統計局(Stats NZ)によると、2025年3月の乳製品輸出量は、全粉乳を除く主要3品目で前年同月を上回った(表、図2)。この3品目はいずれも中国向けが増加した。
25年4月15日のGDT平均価格、全粉乳およびバターは前回を上回る
2025年4月15日開催のGDT(注1)平均取引価格は、全粉乳およびバターが前回開催時(25年4月1日)を上回った(図3)。米国の輸入関税をめぐり、乳製品国際市場にも不透明感が漂う中、北アジアからの購入量が増加していることから、全乳製品の平均取引価格は1トン当たり4385米ドル(62万9554円、1米ドル=143.57円(注2)、前回比3.2%高)となった。
(注1)グローバルデイリートレード。月2回開催される電子オークションで、当該価格は乳製品の国際価格の指標とされている。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年4月末TTS相場。
(調査情報部 田中 美宇)