生産量
令和7年4月の牛肉生産量(注1)は、3万580トン(前年同月比1.7%減)と前年同月をわずかに下回った(図1)。品種別では、和牛は1万6071トン(同3.8%増)とやや、交雑種は8286トン(同1.2%増)とわずかに、いずれも前年同月を上回った一方、乳用種は6178トン(同13.5%減)と前年同月をかなり大きく下回った。
なお、過去5カ年の4月の平均生産量との比較では、3.9%増とやや上回る結果となった。
(注1)生産量の合計は、その他の牛、子牛を含む。
輸入量
4月の輸入量について、国内需要が低調にある中、為替相場や現地価格の高止まりの影響などにより、主要輸入先を含むほとんどの輸入先からの輸入量が減少したことなどから、冷蔵品は、1万4834トン(前年同月比18.4%減)と前年同月を大幅に下回った(図2)。冷凍品は、上記に加え、輸入品在庫量が比較的高水準であったことなどにより、主要輸入先を含むほとんどの輸入先からの輸入量が減少したことなどから、3万8233トン(同15.1%減)と前年同月をかなり大きく下回った(図3)。この結果、輸入量の合計(注2)でも、5万3087トン(同16.0%減)と前年同月を大幅に下回った。
なお、過去5カ年の4月の平均輸入量との比較でも、冷蔵品は34.7%減と大幅に、冷凍品は5.9%減とやや、いずれも下回る結果となった。
(注2)輸入量の合計は、煮沸肉、ほほ肉、頭肉を含む。
家計消費量等
4月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)(注3)は152グラム(前年同月比2.4%減)と前年同月をわずかに下回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の4月の平均消費量との比較でも、15.6%減とかなり大きく下回る結果となった。
4月の外食産業全体の売上高は、比較的安定した天候の中、春休みやお花見などで人出が増え、また単月の訪日外客数が過去最高を更新し、インバウンド需要が引き続き好調で、メニュー価格の改定による客単価上昇が続いたことなどから、前年同月比6.0%増と前年同月をかなりの程度上回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。
このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態として、ハンバーガー店を含むファストフードの洋風は、各種値引きキャンペーンや期間限定商品、お得なランチメニューなどが好調で、同4.5%増と前年同月をやや上回った。また、牛丼店を含むファストフードの和風は、客数が減少した一方、客単価の上昇により、同0.5%増と前年同月をわずかに上回った。ファミリーレストランの焼き肉は、客数の伸び悩みを客単価の上昇が補う傾向が続いているが、春休みを中心に客足の戻りが見られ、同2.5%増と前年同月をわずかに上回った。
(注3)1世帯当たりの数値を当該月の世帯人数で除して算出。
推定期末在庫・推定出回り量
4月の推定期末在庫は、13万9468トン(前年同月比2.5%増)と前年同月をわずかに上回った(図4)。このうち、国産品は9928トン(同16.1%減)と前年同月を大幅に下回った一方、在庫の大半を占める輸入品は12万9540トン(同4.3%増)と前年同月をやや上回った。
推定出回り量は、7万5447トン(同7.8%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図5)。このうち、国産品は3万210トン(同4.5%減)とやや、輸入品は4万5237トン(同9.9%減)とかなりの程度、いずれも前年同月を下回った。
(畜産振興部 丸吉 裕子)