生産量
令和7年5月の牛肉生産量(注1)は、2万7320トン(前年同月比3.4%減)と前年同月をやや下回った(図1)。品種別では、和牛は1万4351トン(同2.9%増)と前年同月をわずかに上回った一方、交雑種は7350トン(同2.8%減)とわずかに、乳用種は5572トン(同14.0%減)とかなり大きく、いずれも前年同月を下回った。
なお、過去5カ年の5月の平均生産量との比較では、2.7%増とわずかに上回る結果となった。
(注1)生産量の合計は、その他の牛、子牛を含む。
輸入量
5月の輸入量について、冷蔵品は、国内需要が低調な中、現地価格の高止まりの影響などにより、豪州産を除くほとんどの輸入先からの輸入量が減少したことなどから、1万6226トン(前年同月比8.7%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図2)。冷凍品は、豪州産のうち主に加工用のひき材などに使用されるトリミングの輸入量が増加したことや米国産のうちショートプレートの輸入量が現地価格の軟化などにより増加したことなどから、3万2161トン(同4.7%増)と前年同月をやや上回った(図3)。この結果、輸入量の合計(注2)では、4万8403トン(同0.2%減)と前年同月並みとなった。
なお、過去5カ年の5月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は16.8%減と大幅に下回った一方、冷凍品は12.6%増とかなり大きく上回る結果となった。
(注2)輸入量の合計は、煮沸肉、ほほ肉、頭肉を含む。
家計消費量等
5月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)(注3)は155グラム(前年同月比6.4%減)と前年同月をかなりの程度下回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の5月の平均消費量との比較でも、21.0%減と大幅に下回る結果となった。
5月の外食産業全体の売上高は、ゴールデンウイークが飛び石連休となったが、近場での人出が増え連休中の需要は堅調に推移し、連休明け以降の落ち込みも比較的少なかったことから、前年同月比10.8%増と前年同月をかなりの程度上回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。
このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態として、ハンバーガー店を含むファストフードの洋風は、人気キャラクターとのコラボ商品やお得なランチメニューなどが好調で、同15.2%増と前年同月をかなり大きく上回った。また、牛丼店を含むファストフードの和風は、客数は前年同月に比べわずかな増加にとどまったが、週替わりの定食メニューなどが好調で、同9.9%増と前年同月をかなりの程度上回った。ファミリーレストランの焼き肉は、若年層向けのフェア開催により平日の集客が好調で、同9.6%増と前年同月をかなりの程度上回った。
(注3)1世帯当たりの数値を当該月の世帯人数で除して算出。
推定期末在庫・推定出回り量
5月の推定期末在庫は、14万7373トン(前年同月比4.3%増)と前年同月をやや上回った(図4)。このうち、国産品は9891トン(同19.4%減)と前年同月を大幅に下回った一方、在庫の大半を占める輸入品は13万7482トン(同6.6%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
推定出回り量は、6万6966トン(同5.7%減)と前年同月をやや下回った(図5)。このうち、国産品は2万6505トン(同2.9%減)とわずかに、輸入品は4万461トン(同7.5%減)とかなりの程度、いずれも前年同月を下回った。
(畜産振興部 丸吉 裕子)