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海外需給【豚肉/米国】畜産の情報 2025年8月号

25年4月の豚肉輸出量、輸出競争の激化から前年同月比11.1%減

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25年6月の豚総飼養頭数、前年同月比0.3%増
 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2025年6月1日時点の豚総飼養頭数は、7513万7000頭(前年比0.3%増)と前年並みとなった(表1)。内訳を見ると、繁殖豚は597万9000頭(同0.5%減)とわずかに減少し、肥育豚は6915万8000頭(同0.4%増)とわずかに増加した。3〜5月期の産子数については、分娩母豚頭数が減少(前年同期比0.4%減)したものの1腹当たり産子数が増加(同1.6%増)したことから、同1.3%増となった。
 


 
25年5月の豚肉卸売価格、前年同月比0.9%安
 USDA/NASSによると、2025年5月の豚と畜頭数は1039万7100頭(前年同月比1.7%減)とわずかに下回った。平均枝肉重量が増加(同0.5%増)したことで、同月の豚肉生産量は101万5900トン(同1.7%減)と3カ月続けて100万トン台で推移した(図1)。
 このような中、同月の豚肉卸売価格(カットアウトバリュー(注1))は、100ポンド当たり99.38米ドル(1キログラム当たり320円:1米ドル=145.81円(注2)、同0.9%安)と前年同月をわずかに下回ったが、24年以降は比較的安定して推移している(図2)。
 
(注1)各部分肉の卸売価格を1頭分の枝肉に再構築した卸売指標価格。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年6月末TTS相場。
 
 


 


 
25年4月の豚肉輸出量、前年同月比11.1%減
 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2025年4月の豚肉輸出量は26万4400トン(前年同月比11.1%減)とかなり大きく減少した(表2)。その中でも最大の輸出先となるメキシコ向けが9万3100トン(同16.9%減)と大幅に減少した。また、日本向けは、4万2600トン(同13.6%減)とかなり大きく減少した。直近数カ月の間、安価な冷凍豚肉を求めるアジア市場が過熱しているが、他の輸出国と競合する中で、現地価格が比較的高水準にある米国産が数量を減らす結果となっている。
 USDAは、25年の輸出量について輸出競争が継続することから、315万2000トン(前年比2.3%減)とわずかな減少を見込んでいる。
 



 
(調査情報部 大西 未来)