25年第1四半期の豚肉生産量、前年同期比3.2%増
欧州委員会によると、2025年3月の豚肉生産量(EU27カ国)は、184万2670トン(前年同月比7.1%増)とかなりの程度増加した(図1)。これは、豚と畜頭数が1894万2190頭(同5.5%増)とやや増加したことに加えて、1頭当たりの枝肉重量が97.28キログラム(同1.5%増)とわずかに増加したことが影響した。と畜頭数が前年を上回った要因として、前年3月はイースター休暇により、と畜場の操業日数が例年に比べて少なかったことが挙げられる。
25年第1四半期(1〜3月)の豚肉生産量は、561万2370トン(前年同期比3.2%増)とやや増加した。
同期間の豚肉生産量を主要生産国別に見ると、スペインとデンマークは堅調な輸出需要などを背景に同5.9%、5.8%増とそれぞれやや増加した(表1)。一方、オランダでは豚肉生産量の減少が続いているものの、同期間のスペイン向けの子豚輸出頭数は同27.6%増となっており、子豚の生体輸出が盛んになっている。
25年5月の豚枝肉卸売価格、前年同月比5.2%安も上昇傾向
欧州委員会によると、2025年5月の豚枝肉卸売価格(EU27カ国)は、前年同月比5.2%安の1キログラム当たり2.08ユーロ(356円:1ユーロ=171.16円(注))となった(図2)。同価格は3カ月続けて上昇しており、中でもデンマークでは、同国最大手食肉企業のデニッシュクラウンが、出荷豚の取引価格を大幅に引き上げたことが影響し、同月の豚枝肉卸売価格は同10.6%高の同2.05ユーロ(351円)となった。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年6月末TTS相場。
25年4月の豚肉輸出量、口蹄疫による輸出規制により前年同月比2.1%減
欧州委員会によると、2025年4月のEU域外への豚肉輸出量(EU27カ国)は、16万1509トン(前年同月比2.1%減)とわずかに減少した(表2)。英国および韓国向けはドイツでの口蹄疫の発生により、大幅に減少したことが影響した。また、日本向けはEU産豚肉の相場高が影響し、2万3953トン(同15.9%)とかなり大きく減少した。
(調査情報部 藤岡 洋太)