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海外需給【豚肉/中国】畜産の情報 2025年8月号

豚肉小売価格は前年同月を上回るも下落傾向、豚肉輸入量は増加

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25年4月末の繁殖雌豚頭数、前月比で横ばい
 中国農業農村部によると、2025年4月末時点の繁殖雌豚頭数は4038万頭(前年同月比1.3%増、前月比0.02%減)と前月比で横ばいとなった(図1)。同頭数は、同部が最適な飼養水準(以下「最適水準」という)とする3900万頭を3.5%上回っている。
 



 
25年4月の豚と畜頭数、前年同月比20.1%増
 2025年4月の豚と畜頭数は、3077万頭(前年同月比20.1%増)と大幅に増加した(図2)。この要因について中国農業農村部は25年6月に公表した「農産物需給動向分析月報」(以下「月報」という)で、(1)引き続き最適水準を上回る繁殖雌豚から子豚が生産され、堅調に出荷されたこと(2)飼料価格が高騰する中で飼養コスト削減のため、肥育豚を早期出荷したこと−を挙げている。
 



 
25年5月の豚肉小売価格、前年同月比2.1%高
 2025年5月の豚肉小売価格は、前月比1.1%安の1キログラム当たり25.8元(529円:1元=20.49円(注)、前年同月比2.1%高)と、8カ月連続で下落したものの、減少率は縮小した(図3)。現地関係者によると、旧正月(春節、25年は1月29日)後の豚肉不需要期を経て、清明節(同年は4月4〜6日)や端午節(同年は5月31日)の祝祭日需要が、豚肉価格を下支えした。
 豚肉生産にも影響する同月の子豚価格は、前月比0.1%安の同39.1元(802円、前年同月比1.1%高)と、25年に入って初めて下落に転じた。この要因について現地関係者は、(1)繁殖雌豚頭数が最適水準を上回り、子豚供給頭数が過剰であること(2)豚肉価格の下落により、肥育もと豚の導入意欲がやや低下したこと−を挙げている。
 
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年6月末TTS相場。
 



 
25年1〜5月の豚肉輸入量、前年同期比5.3%増
 2025年1〜5月の豚肉輸入量は44万2839トン(前年同期比5.3%増)と、ブラジルを除くすべての主要輸入先で前年同期を上回った(表)。中国農業農村部が25年6月に公表した月報によると、今後は、国内豚肉価格の下落により輸入豚肉の価格優位性が低下することで、輸入量は減少する可能性があるとしている。
 

 
(調査情報部 山ア 葵)