25年1〜4月の鶏肉生産量、前年同期比1.4%増加
タイ農業協同組合省農業経済局によると、2025年1〜4月の鶏肉生産量は89万6332トン(前年同期比1.4%増)とわずかに増加した(図1)。タイ金融大手のカシコン銀行傘下のシンクタンクであるカシコン・リサーチセンターが6月に公表した報告書では、タイ国内の豚肉価格の高騰などによる鶏肉の国内需要増などに対応するため、25年の鶏肉生産量は前年比1.3%増と予測している。
25年5月の鶏肉卸売価格は前年並み
2025年5月の鶏肉卸売価格は、前年同月比0.1%高の1キログラム当たり57.53バーツ(260円:1バーツ=4.52円(注))と前年並みとなった(図2)。今後の鶏肉価格の動向について現地関係者は、これまでは鶏肉の輸出需要に下支えられていたが、5月中旬から雨期に入り、国内消費の中でも特に外食需要の減少が顕著であることから、下落の恐れがあるとしている。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年6月末TTS相場。
25年1〜4月の冷凍鶏肉の輸出量、前年同期比6.0%増
2025年1〜4月の冷凍鶏肉の輸出量は、16万1150トン(前年同期比6.0%増)とかなりの程度増加した(表1)。主要輸出先別に見ると、韓国向けのみ大幅に減少している。その要因について現地関係者は、(1)韓国国内の鶏肉生産量が増加傾向にあること(2)韓国でタイ産よりも安価なブラジル産の鶏肉輸入量が増えていること−を挙げている。輸出先首位の日本向けは、外食産業を中心に鶏肉需要が堅調に推移したことから、6万3166トン(同8.1%増)とかなりの程度増加した。
25年1〜4月の鶏肉調製品の輸出量、前年同期比6.1%増
2025年1〜4月の鶏肉調製品輸出量は、22万5715トン(前年同期比6.1%増)とかなりの程度増加した(表2)。日本向けは、日本国内の節約志向を背景とした鶏肉需要により堅調に推移し、9万7522トン(同2.3%増)とわずかに増加した。
(調査情報部 平山 宗幸)