25年5月の生乳生産量、前年同月比3.8%減
デイリー・オーストラリア(DA)が2025年6月に公表した「Milk Production Reports」によると、25年5月の生乳生産量は前年同月比3.8%減の62万332キロリットル(63万8942トン相当)となった(図1)。
この結果、2024/25年度(7月〜翌6月)5月までの累計生乳生産量は、前年同期比0.4%減の774万8791キロリットル(798万1255トン相当)となった。
25/26年度の生産者支払乳価は引き上げ
2025/26年度当初の生産者支払乳価は、国内生乳生産量の減少などを踏まえた乳業各社による原料乳確保の動きから、2025年6月初旬までに生乳の固形分(注1)1キログラム当たり8.9豪ドル(859円:1豪ドル=96.50円(注2)、前年度比9%高)程度と高値が提示された(表1)(注3)。
しかし、豪州の酪農主産地であるビクトリア州などで発生した干ばつにより、飼料や水などのコスト上昇に直面する酪農家からの切実な要請を受け、同6月末までに乳業各社は同乳価額を改定し、おおむね同9.1豪ドル(878円、同11%高)程度に引き上げている。
(注1)乳脂肪分および乳たんぱく質。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年6月末TTS相場。
25年4月の主要乳製品輸出量、脱脂粉乳を除き増加
DAが2025年6月に公表した「Dairy Export Summary」によると、25年4月の主要乳製品4品目の輸出量は、脱脂粉乳を除きいずれも増加した(表2、図2)。
脱脂粉乳は、輸出量全体に占める割合が高いベトナムやマレーシア向けが大幅に増加したものの、最も輸出量の多い中国向けが大幅に減少したことを受け、前年同月比で1.3%減とわずかに減少した。一方、全粉乳は、タイやベトナム向けが減少したものの、輸出量全体に占める割合が高い中国とアラブ首長国連邦向けが大きく増加したことを受け、前年同月比で22.8%増と大幅に増加した。バターおよびバターオイルは、マレーシアやタイなど東南アジア向けが増加したほか、メキシコや台湾などからの引き合いが強かったことを受け、同9.7%増とかなりの程度増加した。また、チーズは、主要輸出先である日本と中国向けが堅調に推移したことを受け、同3.2%増とやや増加した。
(調査情報部 平山 宗幸)