北海道の生乳生産量、前年同月比2.1%増
令和7年7月の生乳生産量は、61万3824トン(前年同月比1.2%増)と5カ月連続で前年同月を上回り、前年2月がうるう年であった影響を除くと実質12カ月連続の増加となった(図1)。地域別では、北海道が36万3200トン(同2.1%増)となり、12カ月連続で前年同月を上回った。一方、都府県では25万624トン(同0.1%減)と前年同月並みにとどまったものの、13カ月連続での前年割れとなった。
7月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは33万1182トン(同1.6%増)と、3カ月ぶりに前年同月を上回った。このうち、業務用向けについては2万1804トン(同4.2%減)と2カ月連続で下回った。
乳製品向けは27万8923トン(同0.9%増)と、5カ月連続で前年同月を上回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは5万8009トン(同5.3%減)、チーズ向けは3万5280トン(同0.8%減)と、いずれも2カ月連続で下回った。一方、脱脂粉乳・バター等向けは、13万6755トン(同4.1%増)となり、12カ月連続で前年同月を上回った(農畜産業振興機構調べ「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
全国の牛乳生産量、3カ月ぶりに前年同月を上回る
7月の牛乳等生産量を見ると、飲用牛乳等のうち牛乳は、26万3347キロリットル(前年同月比0.9%増)と3カ月ぶりに前年同月を上回った。成分調整牛乳は前年割れが継続しており、1万7976キロリットル(同5.4%減)となった。一方、加工乳については、1万1304キロリットル(同3.4%増)と2カ月連続で前年同月を上回った。
はっ酵乳は9万1389キロリットル(同1.8%増)と2カ月連続で上回った。
7月のバター在庫量、前年同月比16.3%増
7月のバターの生産量は5473トン(前年同月比7.1%増)と、前年同月をかなりの程度上回り、5カ月連続での増加となった(図2)。出回り量は6162トン(同0.4%減)と2カ月連続で下回った(農畜産業振興機構調べ)。在庫量については、11カ月連続で前年同月を上回り、7月末は3万2274トン(同16.3%増)となった(図3)。
7月の脱脂粉乳在庫量、前年同月比21.5%増
7月の脱脂粉乳の生産量は、1万1366トン(前年同月比3.6%増)と5カ月連続で前年同月を上回った(図4)。一方、出回り量は1万1782トン(同8.9%減)とかなりの程度下回り、6カ月連続の減少となった(農畜産業振興機構調べ)。7月末の在庫量は、6万3502トン(同21.5%増)と大幅に増加し、8カ月連続で上回った。(図5)。
令和7年上期の酪農品の輸出量、前年同期比3.5%減
令和7年8月4日に農林水産省が発表した「農林水産物輸出入情報(令和7年6月分)」によると、本年上期(1〜6月)における酪農品の輸出量は、9672トン(前年同期比3.5%減)と前年同期をやや下回り、輸出額は97億7977万円(同11.8%減)とかなり大きく下回った(図6)。
上期累計を品目別に見ると、牛乳・部分脱脂乳は3683トン(同5.5%増)と前年同期をやや上回り、チーズ類は804トン(同43.6%増)と前年同期を大幅に上回った。一方、粉乳等は、3612トン(同24.9%減)と前年同期を大幅に下回った。粉乳等の9割以上を占める乳幼児用調製品は3486トン(同17.5%減)と、その他の粉乳も126トン(同78.4%減)と、いずれも前年同期を大幅に下回った。
国・地域別に見ると、輸出額ベースで最大の輸出相手先はベトナムであり、輸出額は39億4855万円(同38.8%減)、輸出量は2298トン(同30.6%減)と、いずれも前年同期を大幅に下回った。これは、ベトナム向けの9割以上を占める乳幼児用調製品が2070トン(同35.3%減)となったことによるものである。一方、輸出量ベースで最大の輸出相手先は香港となった。輸出量は3289トン(同7.2%増)と前年同期をかなりの程度上回り、輸出額も16億5731万円(同35.1%増)と大幅に上回った。香港向けの7割以上を占める牛乳・部分脱脂乳が2404トン(同0.6%増)となったほか、乳幼児用調製品、チーズ類等でも量、金額のいずれも前年同期を上回った。
(酪農乳業部 田中 麻紀)