25年7月の豚肉生産量、前年同月比4.2%減
米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2025年7月の豚と畜頭数は、農場における豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)の発生件数の増加に伴い、1026万8400頭(前年同月比3.9%減)と前年同月をやや下回った。平均枝肉重量も減少(同0.5%減)したことで、同月の豚肉生産量は97万9100トン(同4.2%減)とやや減少した(図1)。
25年の豚肉生産量についてUSDAは、1258万6000トン(前年比0.2%減)と前年並みを予測している。
25年7月の豚肉卸売価格、前年同月比15.1%高
USDA/NASSによると、25年7月の豚肉卸売価格(カットアウトバリュー(注1))は、豚肉生産量の減少と堅調な需要から、100ポンド当たり115.03米ドル(1キログラム当たり375円:1米ドル=147.92円(注2)、前年同月比15.1%高)と、前年同月をかなり大きく上回った(図2)。また、同月の肥育豚価格は、同78.2米ドル(同255円、同19.2%高)と大幅に上回った。
(注1)各部分肉の卸売価格を1頭分の枝肉に再構築した卸売指標価格。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年8月末TTS相場。
25年6月の豚肉輸出量、前年同月比5.2%増
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2025年6月の豚肉輸出量は25万200トン(前年同月比5.2%増)とやや増加した(表)。最大の輸出先となるメキシコ向けは、国内供給を上回る旺盛な需要から10万4200トン(同22.4%増)と大幅に増加した。日本向けは3万6600トン(同9.2%減)とかなりの程度減少した。中国向けは、同国による対米追加関税が一時的に引き下げられた(注3)ことにより、1万3600トン(同5.7%減)とやや減少するにとどまった。25年の輸出量についてUSDAは、316万7000トン(前年比2.0%減)とわずかな減少を見込んでいる。
(注3)2025年5月12日に公表された米中共同声明に基づいて、14日から125%の追加関税を34%に引き下げつつ、うち24%の執行を90日間停止することにより、同期間の追加関税を10%としている。なお、同年5月の中国向け豚肉輸出量は、前年同月比で87%減少した。
(調査情報部 小林 大祐)