25年7月の鶏肉生産量、前年同月比1.8%増
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2025年7月の鶏肉生産量は、処理羽数と生体重量の増加により、188万1000トン(前年同月比1.8%増)とわずかに増加した。また、25年1〜7月の鶏肉生産量は1251万7000トン(前年同期比1.6%増)とわずかに増加した(表1)。同年の鶏肉生産量についてUSDAは、堅調な孵化数や飼料コストの低下から、前月予測から3万3000トン上方修正し、2131万6000トン(前年比1.6%増)と予測している。
25年7月の鶏肉卸売価格、前年同月比0.6%高
USDA/ERSによると、2025年7月の鶏肉卸売価格は、1ポンド当たり1.31米ドル(1キログラム当たり429円:1米ドル=147.92円(注)、前年同月比0.6%高)とわずかに上昇した(図1)。鶏肉生産量は前年同月比で増加しているものの、食肉全般が高値で推移する中、比較的安価な鶏肉の需要が高まったことが上昇につながったとみられる。同月末の冷凍鶏肉在庫量は、国内需要の高まりなどを背景に生産量が増加する中で、輸出量が減少したことなどから33万3025トン(同2.6%増)とわずかに増加した(図2)。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年8月末TTS相場。
25年6月の鶏肉輸出量、前年同月比6.2%減
USDA/ERSによると、2025年6月の鶏肉輸出量は23万4750トン(前年同月比6.2%減)とかなりの程度減少し、25年1〜6月累計でも145万4420トン(前年同期比3.6%減)とやや減少した(表2)。地理的優位性から輸出量の約4分の1を占めるメキシコ向けは、ブラジル産の台頭により25年1〜6月累計では35万2654トン(同1.7%減)とわずかに減少した。
25年の鶏肉輸出量についてUSDAは、ブラジルが輸出量を増やしていることなどから、世界の鶏肉市場における競争が激化すると見込み、前年比3.0%減の294万トンとしている。
(調査情報部 大西 未来)