25年1〜8月の牛と畜頭数は前年同期比6.2%増
ウルグアイ食肉協会(INAC)によると、2025年1〜8月の牛と畜頭数は161万7000頭(前年同期比6.2%増)と前年同期をかなりの程度上回った(図1)。米国農務省(USDA)によると、堅調な外需に加え、同国内で肥育牛に穀物を与えるケースが増加していることで増体効率が向上し、と畜月齢が早期化していることが一因とされている。
去勢牛生産者出荷価格は上昇傾向で推移
INACによると、2025年9月第3週(9月14〜20日)の去勢牛生産者出荷価格は、1キログラム当たり5.35米ドル(802円:1米ドル=149.88円(注1)、前年同期比31.9%高)と前年同期を大幅に上回った(図2)。これについてUSDAは、輸出向け牛肉の単価が高水準で推移していることが要因としている。
(注1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年9月末のTTS相場および現地参考為替相場(Selling)。
25年1〜7月の牛肉輸出量は前年同期比11.1%増
2025年1〜7月の牛肉輸出量は、22万3789トン(前年同期比11.1%増)と前年同期をかなり大きく上回った(表)。また、牛肉価格は1キログラム当たり6.62米ドル(992円、同20.6%高)と前年同期を大幅に上回った。USDAは、輸出量の増加および価格の上昇により、25年の輸出額は過去最高を記録すると予測している。
輸出量を仕向け先ごとに見ると、輸出量全体の約4割を占める中国向けは、8万4190トン(同3.2%減)と前年同期をやや下回った。一方で、輸出量全体の約3割を占める米国向けは、7万1120トン(同35.7%増)と前年同期を大幅に上回った。米国は国内生産量が減少しているため、ウルグアイなどからの輸入量が増加している。USDAによると、米国向け製品の多くは骨なし冷凍前四分体(フォアクォータ)、中国向け製品の多くは骨なし冷凍ブロック肉であるが、いずれも加工用途であり、これら2カ国向けの製品は類似していることで競合関係にあるとされる。このため、ブラジル産牛肉に対する米国の関税措置(注2)は、ウルグアイ産牛肉の米国向け輸出量の増加と、それに伴う中国向け輸出量の減少をもたらすとみている。
(調査情報部 原田 祥太)