畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > 7年9月の牛肉生産量、前年同月比1.1%増

国内需給【牛肉】畜産の情報 2025年12月号

7年9月の牛肉生産量、前年同月比1.1%増

印刷ページ
生産量
 令和7年9月の牛肉生産量(注1)は、2万8589トン(前年同月比1.1%増)と前年同月をわずかに上回った(図1)。品種別では、和牛は1万4972トン(同4.7%増)、交雑種は7670トン(同5.2%増)と、ともに前年同月をやや上回った一方、乳用種は5892トン(同11.2%減)と前年同月をかなり大きく下回った。
 なお、過去5カ年の9月の平均生産量との比較では、3.4%増とやや上回る結果となった。
 
(注1)生産量の合計は、その他の牛、子牛を含む。
 



 
輸入量
 9月の輸入量について、冷蔵品は、国内需要が低調な中、現地価格の高止まりや入船遅れの影響などにより、主要輸入先を含むほとんどの輸入先からの輸入量が減少したことなどから、1万3060トン(前年同月比15.1%減)と前年同月をかなり大きく下回った(図2)。冷凍品では、米国産ショートプレート(バラ)や豪州産のうち主に加工用のひき材などに使用されるトリミングの輸入量が増加したことなどから、2万5258トン(同11.0%増)と前年同月をかなり大きく上回った(図3)。この結果、輸入量の合計(注2)では、3万8340トン(同0.4%増)と前年同月をわずかに上回った。
 なお、過去5カ年の9月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は27.7%減と大幅に、冷凍品は3.9%減とやや、いずれも下回る結果となった。
 
(注2)輸入量の合計は、煮沸肉、ほほ肉、頭肉を含む。





 
 
家計消費量等
 9月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)(注3)は146グラム(前年同月比12.8%減)と前年同月をかなり大きく下回った(総務省「家計調査」)。
 なお、過去5カ年の9月の平均消費量との比較でも、15.5%減とかなり大きく下回る結果となった。
 9月の外食産業全体の売上高は、今年は特に厳しい残暑と物価高騰が続き、外食控えと節約志向が強まり、レストラン業態・飲酒業態でさらにその傾向が強く、前半を中心に客足が鈍った。一方、ファストフード業態やファミリーレストランの低価格業態が堅調で、前年同月比4.8%増と前年同月をやや上回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。
 このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態として、ハンバーガー店を含むファストフードの洋風は、定番の季節限定メニューや新商品などが好調で、同6.6%増と前年同月をかなりの程度上回った。また、牛丼店を含むファストフードの和風は、一部で主力商品の値下げなどもあり客数が回復し、期間限定メニューも好調で、同10.1%増と前年同月をかなりの程度上回った。一方、ファミリーレストランの焼き肉は、夏休み明けで若年層や家族客の集客が一服し、同7.3%減と前年同月をかなりの程度下回った。
 
(注3)1世帯当たりの数値を当該月の世帯人数で除して算出。
 
推定期末在庫・推定出回り量
 9月の推定期末在庫は、14万9418トン(前年同月比4.1%減)と前年同月をやや下回った(図4)。このうち、国産品は1万431トン(同7.7%減)とかなりの程度、在庫の大半を占める輸入品は13万8987トン(同3.8%減)とやや、いずれも前年同月を下回った。
 推定出回り量は、6万9484トン(同2.3%増)と前年同月をわずかに上回った(図5)。このうち、国産品は2万7744トン(同2.7%増)、輸入品は4万1740トン(同2.0%増)と、ともに前年同月をわずかに上回った。
 





 
 
(畜産振興部 丸吉 裕子)