北海道の生乳生産量、前年同月比0.6%増
令和7年9月の生乳生産量は、58万397トン(前年同月比0.2%増)と前年同月並みとなった(図1)。地域別では、北海道が34万6360トン(同0.6%増)となり、14カ月連続で前年同月を上回った。一方、都府県では23万4037トン(同0.5%減)と、前月は14カ月ぶりに前年超えとなったものの、再び前年同月を下回った。
9月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは33万1076トン(同0.1%減)と、前年同月並みとなった。このうち、業務用向けについては2万4417トン(同3.5%減)と4カ月連続で前年同月を下回った。
乳製品向けは24万5867トン(同0.6%増)と7カ月連続で前年同月を上回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは5万7675トン(同1.7%減)と2カ月ぶりに前年同月を下回り、チーズ向けは3万875トン(同2.8%増)と4カ月ぶりに前年同月を上回った。脱脂粉乳・バター等向けは、11万2347トン(同1.5%増)となり、14カ月連続で前年同月を上回っている(農畜産業振興機構調べ「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
全国の牛乳生産量、前年同月比0.3%減
9月の牛乳等生産量を見ると、飲用牛乳等のうち牛乳は、26万9028キロリットル(前年同月比0.3%減)となった。成分調整牛乳は前年割れが継続しており、1万7032キロリットル(同6.5%減)となった。また、加工乳については、1万1688キロリットル(同1.3%減)と2カ月連続で前年同月を下回った。
はっ酵乳は8万5979キロリットル(同0.1%増)と前年同月並みとなった。
9月のバター在庫量、前年同月比20.4%増
9月のバターの生産量は4478トン(前年同月比7.5%増)と、前年同月をかなりの程度上回り、7カ月連続で上回った(図2)。一方、出回り量は6345トン(同0.4%減)と4カ月連続で前年同月を下回った(農畜産業振興機構調べ)。在庫量については、9月末は3万1336トン(同20.4%増)となり、13カ月連続で前年同月を上回ったが、前月と比べると季節的な動向により減少した(図3)。
9月の脱脂粉乳在庫量、前年同月比31.7%増
9月の脱脂粉乳の生産量は、9845トン(前年同月比3.9%増)と前年同月をやや上回り、7カ月連続で上回った(図4)。一方、出回り量は1万664トン(同6.2%減)とかなりの程度下回り、8カ月連続で下回った(農畜産業振興機構調べ)。9月末の在庫量は、6万4662トン(同31.7%増)と前年同月を大幅に上回り、10カ月連続で上回った。(図5)。
北海道の生乳移出量、前年同月比2.4%増
9月は例年、学校給食が再開するなど需要が増加する一方で、夏場の暑さなどにより都府県の生乳生産量が落ち込むことから、生乳の道外移出量が最も多くなる。令和7年9月の生乳の道外移出量は、6万4723トン(前年同月比2.4%増)と2カ月ぶりに前年同月を上回った(図6)。
なお、道内の同月の牛乳等向け処理量は、4万7395トン(同1.6%減)と4カ月ぶりに前年同月を下回った。一方で、乳製品向け処理量は、23万2399トン(同0.7%増)と7カ月連続で前年同月を上回っている。
(酪農乳業部 田中 麻紀)