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海外需給【豚肉/米国】畜産の情報 2025年12月号

25年8月の豚肉生産量は前年同月比7.6%減、一部州でPRRSの発生続く

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※米国政府機関の一部閉鎖により直近の情報を入手できなかったため、執筆時点にて入手可能な統計情報に基づいています。
 
25年8月の豚肉生産量、前年同月比7.6%減
 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2025年8月の豚と畜頭数は、農場における豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)がアイオワ州など一部の主要生産州で引き続き発生していることに伴い、1012万6500頭(前年同月比7.1%減)と前年同月をかなりの程度下回った。平均枝肉重量も減少(同0.5%減)したことで、同月の豚肉生産量は96万トン(同7.6%減)とかなりの程度減少した(図1)。25年の豚肉生産量についてUSDAは、1250万4000トン(前年比0.8%減)とわずかに減少すると予測している。
 



 
25年8月の肥育豚価格、前年同月比19.6%高
 USDA/NASSによると、25年8月の肥育豚価格は、豚肉生産量の減少などから100ポンド当たり77.6米ドル(1キログラム当たり265円:1米ドル=155.1円(注1)、前年同月比19.6%高)と前年同月を大幅に上回った(図2)。また、同月の豚肉卸売価格(カットアウトバリュー(注2))は、同115米ドル(同393円、同16.3%高)と、同じく大幅に上回った。
 
(注1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年10月末TTS相場。
(注2)各部分肉の卸売価格を1頭分の枝肉に再構築した卸売指標価格。
 



 
25年7月の豚肉輸出量、前年同月比2.7%減
 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2025年7月の豚肉輸出量は25万333トン(前年同月比2.7%減)とわずかに減少した(表)。最大の輸出先となるメキシコ向けは、米国豚肉価格の上昇に伴う競争力の低下などから、9万5317トン(同10.7%減)とかなりの程度減少した。日本向けは、3万7287トン(同0.6%減)とわずかに減少した。一方、韓国向けは、堅調な需要に加え、中国向けの一部が振り替えられたとみられることなどにより、2万3771トン(同23.2%増)と大幅に増加した。
 



 
(調査情報部 小林 大祐)