25年9月末の繁殖雌豚頭数、前年同月に比べ0.7%減
中国農業農村部によると、2025年9月末時点の繁殖雌豚頭数は4035万頭(前年同月比0.7%減、前期(25年6月)比0.2%減)と前年同月をわずかに下回ったものの、前期並みとなった(図1)。同頭数は、同部が最適な飼養水準(以下「最適水準」という)とする3900万頭を3.5%上回っている。
25年8月の豚と畜頭数、前年同月比37.2%増
2025年8月の豚と畜頭数は、3350万頭(前年同月比37.2%増)と大幅に増加した(図2)。農業農村部が同年10月に公表した「農産物需給動向分析月報」(以下「月報」という)によると、25年上半期に繁殖雌豚頭数が最適水準を上回ったことによる子豚出生数増加に加え、同期間中の出荷先延ばし分や二次肥育(注1)による大型生体豚の出荷頭数増加が要因とされている。
(注1)出荷適正体重となった肥育豚を購入して再肥育し、通常の出荷体重以上に増体させること。生体豚価格の上昇が見込まれる場合に実施されることが多い。
25年9月の豚肉小売価格、前月比1.9%安
豚肉価格は、2024年10月から下落に転じており、25年9月の豚肉小売価格は、1キログラム当たり24.5元(338円:1元=21.97円(注2)、前月比1.9%安、前年同月比22.0%安)と安値で推移している(図3)。この要因について、月報によると、二次肥育による大型生体豚の出荷頭数増加などで市場への豚肉供給量が増加した一方、豚肉消費の鈍化が継続したためとされている。
豚肉生産にも影響する同年9月の子豚価格は、同30.1元(661円、同10.6%安、同27.5%安)と、5月以降下落が続いている。この要因について現地関係者は、1)生産能力の調整措置(注3)に伴う繁殖雌豚頭数削減と積極的な子豚売却、2)豚肉価格の下落による肥育農家の導入意欲低下―を挙げている。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年10月末TTS相場。
25年1〜9月の豚肉輸入量、前年同期比0.8%減
2025年1〜9月の豚肉輸入量は、77万7927トン(前年同期比0.8%減)と前年同期をわずかに下回った(表)。この要因として、国内供給量が十分で、国内豚肉価格も安値で推移しているため、輸入豚肉の価格優位性が相対的に弱まったことが考えられる。
(調査情報部 山ア 葵)