(1)福岡県柳川市
豊作ファーム/株式会社&rich(エンリッチ)
黒毛和牛「豊作和牛」を出品中の福岡県柳川市の豊作ファーム/株式会社&rich(エンリッチ)は、「福岡県肉畜共進会」での農林水産大臣賞受賞をはじめ、福岡県・九州管内においても多くの賞を受賞しており、JAL産直ECショップでもリピーターが多い出品者です(写真2)。
豊作ファームは、循環型農業を基盤に「唯一無二の味わい」を追求する「豊作和牛」とお米を生産しています。先代である父の江口農産牧場から続く循環型農業を引き継ぎ、環境と地域に優しいサスティナブルな農業を約40年間実践し続けています。
<豊作ファームのこだわり>
1)自家配合の飼料
自家配合の飼料を使用し、ビール粕を主成分にしたオリジナル飼料を牛の体調に合わせて細かく調整し、牛に負担をかけないように与えています。
2)循環型農業
豊作ファームは柳川市に8町(注3)の水田を有する米農家でもあり、減農薬米を育てています。減農薬米の水田で牛由来の堆肥を活かし、多様な微生物が分解して作り出される肥沃な土壌で甘みと芳醇さのある米を生産しています。また、秋の稲刈りを終えた後に乾燥させた稲わらを牛に与え、豊作和牛の唯一無二の味わいを生み出しています。
(注3)1町は、約0.99ヘクタール。
3)生産から販売まで
生産から販売までを包括的に手がけていることも特筆すべき点です。
弟の江口豊作氏が豊作和牛の生産を担当(豊作ファーム)、兄の幸司氏が食肉流通の経験を活かして精肉の加工と販売を担当(株式会社&rich)しています。福岡食肉市場で豊作ファーム産の1頭を競り落とし、信頼のおける食肉精肉工場に委託した後、飲食店や消費者に「豊作和牛」として届けています。
コロナ禍で開始したEC販売が軌道に乗る中、JALからの打診
豊作ファーム/株式会社&richが他の産直サイトにて一般販売を開始したのは、まさにコロナ禍の時期でした。当社がJAL産直ECショップへの出品を打診したのは、少しずつその影響が和らぎ、「販売をより広げていきたい!」と思っていたタイミングだったといいます。『空からお届け』という新しいサービスの理念と、「豊作和牛」をより多くの方に知っていただきたい・食べていただきたいという想いが合致し、出品を決意されました。
JALの担当責任者と福岡食肉市場で豊作ファームの枝肉や市場内を見学し、お肉業界や産直についてお話させていただいたことが、今でもとても印象に残っているとのことです。
立ち上がったばかりのJAL産直ECショップでしたので、ゆっくりのスタートかな…と思っていらっしゃったそうですが、お客様からのリアクションが早く、1年目からたくさんの発注があったことはうれしい驚きだったとおっしゃっていました。「『空からお届け』に出品することで、全国津々浦々、多くの方に『豊作和牛』をお届けできていることをとても感謝している」と評価いただいています。
(2)山形県・寒河江市
株式会社アンスリーファーム
株式会社アンスリーファームは、山形県寒河江市でサクランボ、桃、ブドウ、西洋梨などを生産しています。JAL産直ECショップ開業時より本事業に参加され、JAL産直ECショップにおける年間売り上げ上位の生産者を表彰する「SORAKARA OTODOKE年間アワード」を、2024年、25年に連続で獲得されました(写真3)。
地域の高齢化に伴う耕作放棄地の増加と農業担い手不足の深刻化
株式会社アンスリーファームの所在する寒河江市では、近年、地域の高齢化により耕作放棄地が増加し、農業の担い手不足が深刻化しています。こうした状況の中、2016年に20〜30代の若手数名で株式会社アンスリーファームを設立。農業界の高齢化によって担い手が減少し、耕作放棄地が増え続ける中、圃場を借り受けて生産を続けています。
コロナ禍により催事・対面販売中心の販路が縮小。地域や対面にとどまらない販売拡大が必須に
事業開始後は、畑の面積拡大に伴い、催事や対面での販売が中心でしたが、2020年以降はコロナ禍の影響を受け、地域や対面にとどまらない販路を開拓する必要があると考えられていたそうです。
そのような中、23年にオープン間近のJAL産直ECショップを知り、出品を開始されました。これにより、従来の地域限定の販路から一歩進み、全国の航空機利用者や消費者へ直接商品を届けることができるようになり、新たな顧客層との出会いにつながったといいます。
また、JALが開催するイベントにて、朝に収穫したての農産品を空輸して当日中に試食を提供するなど、JALとの連携イベントで新たなファンを獲得することができたともおっしゃっていました(写真4)。