※米国政府機関の一部閉鎖により直近の情報を入手できなかったため、執筆時点にて入手可能な統計情報に基づいています。
25年10月の牛肉生産量は前年同月比5.7%減
米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2025年9月および10月のフィードロット導入頭数はそれぞれ202万1000頭(前年同月比6.3%減)、203万9000頭(同10.0%減)といずれもかなりの程度減少し、さらに出荷頭数はそれぞれ163万2000頭(同3.9%減)、169万7000頭(同8.0%減)と減少した。この結果、同年11月1日時点のフィードロット飼養頭数は1170万6000頭(同2.2%減)とわずかに減少した(図1)。
また、9月および10月の牛と畜頭数はそれぞれ246万5000頭(同2.3%減)、263万2000頭(同7.9%減)といずれも減少した(図2)。
なお、1頭当たり枝肉重量はそれぞれ399.2キログラム(同2.1%増)、403.2キログラム(同2.4%増)とわずかに増加したが、牛肉生産量はそれぞれ97万9000トン(同2.2%減)、105万5000トン(同5.7%減)と減少した(図3、4)。25年の牛肉生産量についてUSDAは、1171万7000トン(前年比4.5%減)とやや減少すると見込んでいる。
25年10月の牛肉卸売価格、前月をかなりの程度下回る
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)および農業マーケティング局(AMS)の公表情報によると、2025年9月の牛肉卸売価格(カットアウトバリュー(注1))は、牛肉に対する堅調な需要と生産量の減少から、100ポンド当たり396.1米ドル(1キログラム当たり1376円:1米ドル=157.63円(注2)、前年同月比30.0%高)と前年同月を大幅に上回った。同年10月の牛肉卸売価格は、同369.8米ドル(同1285円、18.5%高)と前年同月を大幅に上回ったものの、前月からはかなりの程度下落(6.6%安)した(図5)。
(注1)各部分肉の卸売価格を1頭分の枝肉に再構築した卸売指標価格。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年11月末TTS相場。
(調査情報部 国際調査グループ)