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海外需給【鶏肉/米国】畜産の情報 2026年1月号

鶏肉生産量が増加する中、卸売価格は下落傾向で推移

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※米国政府機関の一部閉鎖により直近の情報を入手できなかったため、執筆時点にて入手可能な統計情報に基づいています。
 
25年10月の鶏肉生産量、前年同月比1.3%増
 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2025年10月の鶏肉生産量は、処理羽数と生体重量の増加により、200万8000トン(前年同月比1.3%増)とわずかに増加した。また、25年1〜10月の鶏肉生産量は1828万4000トン(前年同期比2.2%増)とわずかに増加した(表1、図1)。同年の鶏肉生産量についてUSDAは、化数が堅調に推移している中で、前月予測から1万8000トン上方修正の2175万7000トン(前年比2.1%増)と予測している。
 




 
 
25年10月の鶏肉卸売価格、前年同月比16.4%安
 USDA/ERSによると、2025年10月の鶏肉卸売価格は1ポンド当たり1.08米ドル(1キログラム当たり375円:1米ドル=157.63円(注)、前年同月比16.4%安)と前年同月を大幅に下回って推移した(図2)。現地情報によると、鶏肉生産量の増加に伴う需給の緩和や、飼料価格の下落などが価格の低下につながったとみられている。
 
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年11月末TTS相場。
 



 
25年8月の鶏肉輸出量、前年同月比2.8%増
 USDA/ERSによると、2025年8月の鶏肉輸出量は25万9824トン(前年同月比2.8%増)とわずかに増加し、25年1〜8月累計では196万6734トン(前年同期比2.0%減)とわずかに減少した(表2)。8月を輸出先別に見ると、輸出量の約4分の1を占めるメキシコ向けは、価格競争力のあるブラジル産の台頭により前年同月比9.0%減とかなりの程度減少した。一方、台湾向けは、台湾の輸入先がほぼ米国のみである中、旺盛な需要や、前年同月の輸出量が低水準であったことなどから同約2.3倍と大幅に増加した。
 



 
(調査情報部 小林 大祐)