2025年11月13〜15日、スイスの首都ベルンにおいて、ワールド・チーズ・アワード(World Cheese Awards:WCA)が開催された。
WCAは、欧州の都市で開催される世界最大級のチーズの国際コンテストで、1988年に英国で始まり、毎年、世界各国からチーズが出品される。
第37回目となる2025年の出品数は、世界46カ国から5244品と過去最大規模となった。日本からは40工房48品が出品され、22品が表彰(注1)されるなど、チーズの本場の欧州においても高い評価を受けている。
また、22品のうち3品がゴールド賞を獲得し、このうち養沢ヤギ牧場チーズ工房(東京都)が出品した「養沢ヤギチーズ」と、チーズ工房乳ぃーずの物語。(広島県)が出品した「雪子」の2品がスーパーゴールド賞を受賞した(写真1、2)。さらに「養沢ヤギチーズ」は、この大会で日本のチーズ最高順位である14位となり、BEST JAPANESE CHEESE賞に選ばれた。
WCAでは、一次審査、二次審査を経た後、最終審査により最優秀賞1品が決定される(図1)。
一次審査は、全出品チーズを110のテーブルにランダムに割り振り、世界46カ国から選抜された著名なチーズメーカーの職員、小売業者、バイヤー、フードライターなどの審査員2〜3人が1チームになり、「ビジュアル、ボディ&テクスチャー、アロマ、風味と口当たり」を評価する。テーブルごとにゴールド賞、シルバー賞、ブロンズ賞を選定(各受賞数に制限はない)し、1テーブル内のゴールド賞の中から、1品だけスーパーゴールド賞を選定する。
二次審査では、WCA主催者が国やキャリアを基準にチーズ業界のエキスパートから選出した特別審査員14人が、110品のスーパーゴールド賞の中からそれぞれ1品のチーズを最終審査へと推薦する。
最終審査では、14人の特別審査員が、それぞれ推薦したチーズについてその良さをプレゼンテーションし、特別審査員同士による協議を経て最優秀賞1品が決定される。
日本から出品されたチーズについて、WCAの特別審査員から、次のようなコメントがあった。
○Joost van Nijinatten氏(オランダ)
養沢ヤギチーズを別の審査員に勧められて試食したが、その時は日本のチーズとは知らなかった。試してみると、テクスチャー(食感)や外皮の美しさ、シルキーでクリーミーな質感、酸味の絶妙なバランスにより、とても華やかな印象があって衝撃を受けた。日本のチーズはまだ広く知られていないかもしれないが、この品質はもっと高く評価されるべきである。今回は、チャンピオンには惜しくも届かなかったが、新鮮さが重要なチーズにとって、日本からの距離は大きなハンデだった。その中でこの結果は見事であるし、また食べたいので、ぜひ欧州でも販売してほしい。
○Paul Thomas氏(ドイツ)
日本のチーズはすでに世界水準に達しており、海外の模倣から脱して、次の段階へ進んでいる。これから求められるのは、日本ならではの感性や文化を活かした独自性の追求である。セオリーを踏まえながらも、日本らしさを織り交ぜたチーズづくりに移行するフェーズに入っている。今後、ますます面白いチーズが生まれてくることを期待している。