25年12月の若齢牛価格、緩やかに下落傾向で推移
豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、肉牛生体取引価格の指標となる東部地区若齢牛指標(EYCI)価格は、直近2025年12月18日時点で1キログラム当たり858豪セント(917円:1豪ドル=106.82円(注1))と、12月に入り緩やかな下落傾向が続いている(図1)。
現地報道によると、食肉加工業者は年末に向けて操業を縮小し、フィードロットも12月から約1カ月間、新規受け入れを停止しているため、牛の供給に対して買い手の需要が一時的に落ち込んでいるとされている。今後の見通しについては、天候の影響が不透明ではあるものの、1月以降も価格下落が継続すると予測する現地のエージェント(家畜商)やアナリストはほとんどおらず、当面は現在の価格水準を維持する可能性が高いとみている。
(注1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年12月末TTS相場。
成牛と畜頭数はシーズン終盤も高水準を維持、休暇前の駆け込み需要に対応
2025年12月の週間成牛と畜頭数は、引き続き堅調を維持しており、12月第2週は15万4861頭(前年同期比10.0%増)を記録した(図2)。牛肉輸出が堅調なことに加え、クリスマス休暇前の駆け込み需要により、と畜頭数は例年より高水準で推移している。現地報道によると、大半の食肉加工業者が26年1月分と畜の予約受付を開始しており、年始も順調とされている。
年間輸出量が過去最高を更新、150万トンの大台突破を見据える
豪州農林水産省(DAFF)によると、2025年11月の牛肉輸出量は13万1705トン(前年同月比10.8%増)とかなりの程度増加し、25年の累計(1〜11月)では139万8227トン(前年同期比15.0%増)となり、1カ月を残し、通年の記録である24年の輸出量(134万トン)を超え、過去最高値を更新した(表)。
MLAはこの記録達成に関して、米国の相互関税など逆風の中で達成できたことは意義深いとし、米国向け加工用牛肉(90CL:赤身率90%のひき肉用)がこの伸びをけん引したことに加え、穀物肥育牛肉輸出量も過去最高を記録したことは、豪州産牛肉のプレミアム品質が世界市場で確固たる地位を確立したことを示していると説明した(図3)。
11月の輸出量を輸出先別に見ると、韓国向けは1万7399トン(前年同月比8.4%減)と減少したものの、主要輸出先である米国向けは4万1714トン(同19.1%増)、日本向けは2万4877トン(同42.0%増)、中国向けは1万9554トン(同19.7%増)と、引き続き堅調に推移している。
現地報道によると、米国のアナリストの予測シナリオでは、豪州を含む各国は米国の関税撤廃の恩恵を受ける一方、競争力維持のため、その恩恵分を価格転嫁する必要があるとし、その結果、米国産牛肉との価格差が拡大することで、26年の米国の牛肉輸入量はさらに増加すると分析されている。その中で、豪州の米国向け牛肉輸出量は、25年と比較して約5%(枝肉重量ベースで3万3000トン)の増加が予測されており、引き続き米国向けが豪州の牛肉輸出をけん引する可能性がある。
(調査情報部 国際調査グループ)