25年1〜9月の牛肉生産量は前年同期比4.0%増
ブラジル地理統計院(IBGE)によると、2025年1〜9月の牛と畜頭数は3175万7000頭(前年同期比5.9%増)、牛肉生産量は813万6000トン(同4.0%増)といずれも前年同期をやや上回った(図1)。
米国農務省(USDA)によると、22年以降、と畜頭数に占める雌牛の割合が高く推移していたことから、業界ではキャトルサイクルにより25年には雌牛の保留が進み、その割合は低くなるとみていたものの、24年終期の繁殖期に発生した干ばつが雌牛の妊娠率に悪影響を及ぼした結果、繁殖用として保留することを諦め、翌年(25年)の雌牛のと畜頭数が増加したとされている。これにより、当初予想されていた牛群再構築の開始時期は、25年の後半にずれ込むとみられている。
25年1〜11月の牛肉輸出量は前年同期比18.9%増
ブラジル開発商工サービス省貿易局(SECEX)によると、2025年1〜11月の牛肉輸出量は278万5602トン(前年同期比18.9%増)と前年同期を大幅に上回った(表)。
輸出先別に見ると、輸出量全体の半分以上を占める中国向けは149万8969トン(同24.0%増)となったほか、米国、チリ、メキシコおよびロシアを含めた上位5カ国が、いずれも前年同期を大幅に上回った。なお、累計では増加している米国向けであるが、単月で見ると6月以降は前年割れが続いている(図2)。そうした中、米国のトランプ大統領は25年11月14日、同年4月以降に導入した世界各国・地域に対する相互関税について、牛肉を含む特定の農産物などを対象外とする大統領令を発した(注1)。さらに、11月20日には、ブラジルに対して8月6日以降課していた40%の追加関税についても、同様の品目を対象外とする大統領令を発した。これらの措置により、今後米国向けの輸出量に影響が生じるとみられる。
25年の肥育牛価格は安定して推移
サンパウロ大学農学部応用経済研究所(CEPEA)によると、2025年12月19日時点の肥育牛価格は1キログラム当たり21.20レアル(607円:1レアル=28.63円(注2)、前年同日比0.8%高)となった(図3)。
25年の肥育牛価格は、前年と比較し、安定して推移している。これは、食肉加工業者と生産者の間で契約取引が増加し、スポット価格の変動が抑えられていることが要因とされている。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年12月末のTTS相場および現地参考為替相場(Selling)。
(調査情報部 原田 祥太)