25年9月の豚肉生産量、前年同月比9.8%増
欧州委員会によると、2025年9月の豚肉生産量(EU27カ国)は184万トン(前年同月比9.8%増)とかなりの程度増加した(図1)。豚と畜頭数は1948万頭(同8.4%増)と前年同月をかなりの程度上回った。また、1頭当たりの枝肉重量が94.43キログラム(同1.3%増)とわずかに増加したことも、生産量の増加につながった。
主要生産国の動向を見ると、スペインはと畜用豚の域内からの輸入を増やし、同年1〜9月の豚肉生産量を前年同期比6.7%増加させた(表1)。ドイツ、ポーランドおよびデンマークも同期間の生産量をそれぞれ同1.4%、5.6%および7.1%増加させた一方、フランスは同0.1%減と前年同期並みとなった。
25年11月の豚枝肉卸売価格、需要減で低下
欧州委員会によると、2025年11月の豚枝肉卸売価格(EU27カ国)は、1キログラム当たり1.70ユーロ(316円:1ユーロ=185.83円(注1)、前年同月比11.8%安)となり、過去5カ年平均を下回った(図2)。これは、豚肉供給量が前年を上回って推移している影響が大きく、同価格は5カ月連続で前月を下回っている。なお、英国農業園芸開発委員会(AHDB)によれば、価格下落は供給量の増加に加え需要の減退も影響しているとされる。また、スペインでアフリカ豚熱(ASF)が確認されたこと(注2)が、今後EUにおける同価格の下落圧力になると見込まれている。
(注1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年12月末TTS相場。
25年10月の豚肉輸出量、前年同月比0.6%減
欧州委員会によると、2025年10月のEU域外への豚肉輸出量(EU27カ国)は18万932トン(前年同月比0.6%減)とわずかに減少した(表2)。中国によるアンチダンピング関税(注3)などの影響で、同国向け輸出は同25.2%減と大幅に減少した。さらに、前述のスペインでのASFの確認により、日本やフィリピン向けなどに輸出される豚肉などに伴う輸入停止措置による今後の輸出量の減少が予想される。
(調査情報部 渡辺 淳一)