25年1〜10月の鶏肉生産量、前年同期比1.0%増加
タイ農業協同組合省農業経済局によると、2025年1〜10月の鶏肉生産量は234万9464トン(前年同期比1.0%増)とわずかに増加した(図1)。26年の鶏肉生産量について、タイ金融大手のカシコン銀行傘下のシンクタンクであるカシコン・リサーチセンターは、25年12月に公表した報告書の中で、前年比0.9%増とわずかながらも増加が続くと予測している。
25年11月の鶏肉卸売価格、前年同月比0.7%安
鶏肉卸売価格は2025年7月以降、下落傾向で推移しており、同年11月も1キログラム当たり54.50バーツ(275円:1バーツ=5.05円(注)、前年同月比0.7%安)とわずかに下落した(図2)。この要因について現地関係者は、同年7月にタイ・カンボジア国境地帯の紛争が再燃したことにより大手企業の加工施設で就労していたカンボジア人労働者が帰国したため、1)国内向け加工場の解体・分割作業が簡素化され、加工度の低い大手羽が供給過剰になったこと、2)副産物の処理が遅れ、加工業者の調達意欲が弱まったこと―を挙げている。一方、現地関係者は、年末需要やタイ南部での洪水発生などにより、鶏肉の供給過剰は緩和され、今後の価格は上昇すると予測している。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年12月末TTS相場。
25年1〜10月の冷凍鶏肉の輸出量、前年同期比9.0%増
2025年1〜10月の冷凍鶏肉の輸出量は、41万8977トン(前年同期比9.0%増)とかなりの程度増加した(表1)。このうち日本向けは、節約志向などを背景とした鶏肉需要により堅調に推移し、15万3249トン(同1.4%増)とわずかに増加した。一方、中国向けは、8万3888トン(同10.4%減)とかなりの程度減少した。この要因について現地関係者は、1)25年7月に中国がタイの複数の加工場に対して中国向けの輸出基準を満たしていないことを理由に輸入停止措置を実施していること、2)中国国内の鶏肉供給量が十分であること―を挙げている。
25年1〜10月の鶏肉調製品の輸出量、前年同期比3.4%増
2025年1〜10月の鶏肉調製品の輸出量は、58万5134トン(前年同期比3.4%増)とやや増加した(表2)。このうち日本向けは、節約志向に加え、中食・総菜向け需要の拡大を背景に堅調に推移し、25万9579トン(同2.7%増)とわずかに増加した。タイ・カンボジア間の紛争の影響について現地関係者は、鶏肉加工場ではミャンマー人労働者を新規に採用することなどで生産量を維持しているが、一部加工過程に遅延が生じているとしており、今後の輸出量の推移には注視が必要である。
(調査情報部 山ア 葵)