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海外需給【牛乳・乳製品/EU】畜産の情報 2026年2月号

生乳取引価格、19カ月ぶりに前年同月を下回る

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25年10月の生乳出荷量は前年同月比4.4%増
 欧州委員会によると、2025年10月の生乳出荷量(EU27カ国)は1209万トン(前年同月比4.4%増)となり、前年同月をやや上回った(図1、表1)。同年第3四半期(7〜9月)の生乳出荷量は、前年同期を2.4%上回った。現地報道によれば、1)夏季の気温が前年より和らいだこと、2)良質な牧草生産量が増加したこと、3)生乳価格が堅調に推移し乳牛のと畜頭数が減少したこと、4)ブルータングにより受胎率が低下し、出産時期が後ろ倒しになったこと−などが影響している。
 






 
25年11月の生乳取引価格は前年同月比4.1%安
 欧州委員会によると、2025年11月の生乳取引価格(EU27カ国の平均)は、100キログラム当たり51.31ユーロ(1キログラム当たり95円:1ユーロ=185.83円(注)、前年同月比4.1%安)となり、19カ月ぶりに前年同月を下回った(図2)。バター、全粉乳および脱脂粉乳の価格下落に伴い、生乳取引価格も下落傾向で推移している。
 
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年12月末TTS相場。
 



 
バター価格は23年10月以来となる400ユーロ台
 欧州委員会によると、2025年12月14日の週の製品別乳製品価格(EU27カ国の平均)は、バターが100キログラム当たり461ユーロ(1キログラム当たり857円、前年同期比39.9%安)となり、下落傾向が続いている(図3)。生乳やバターの生産量の増加に加え、米国産バターの価格下落に伴い、国際市場におけるEU産バターの価格競争力が低下していることが影響している。このほか、全粉乳は同309ユーロ(同574円、同28.6%安)、脱脂粉乳は同202ユーロ(同375円、同21.0%安)と、いずれも前年同期を大幅に下回った。チーズも同417ユーロ(同775円、同7.8%安)とかなりの程度低下した。
 



 
25年1〜9月期のバター輸出は前年同期比減も、米国向けは増加
 欧州委員会によると、2025年1〜9月期のEU域外向け乳製品輸出量は、チーズ(前年同期比0.6%増)と脱脂粉乳(同4.4%増)が増加した一方、バター(同0.5%減)と全粉乳(同22.7%減)は減少した(表2)。
 バターと全粉乳は、価格競争力の低下や植物性油脂添加粉乳との競合により輸出量が減少した。ただし、バターの米国向け輸出量は、アイルランド産バターの増産により同20.7%増となった。一方、脱脂粉乳は、国内の生産拡大を図るアルジェリア向け輸出の大幅な減少を補うため、東南アジアや中東向けの輸出量を増加させている。




 
(調査情報部 渡辺 淳一)