25年11月の国産トウモロコシ価格、需要増でわずかに上昇
中国農業農村部は12月20日、「農産物需給動向分析月報(2025年11月)」を公表した。この中で、25年11月の国産トウモロコシ価格は前月からわずかに上昇した(図1)。同月のトウモロコシ需給を見ると、供給面では、華北地域の黄淮地区(黄河と淮河の流域で、河南省、山東省、江蘇省および安徽省にまたがるエリア)で高品質なトウモロコシの供給がひっ迫し、主産地である東北地域からの補充が必要となっている。需要面では、1)飼料企業の調達意欲が強いこと、2)コーンスターチ製造企業の在庫が前年同期比で低く、補充需要が存在すること―などから、短期的にはトウモロコシ価格は強含みに推移すると予想されている。ただし、11月時点の需給はほぼ均衡しており、今後の上昇余地は限定的と見込まれている。
輸入トウモロコシ価格を見ると、養豚主産地の中国南部向け飼料原料集積地となる広東省黄埔港到着価格は、25年11月が1キログラム当たり2.14元(48円:1元=22.66円(注)、前月比1.9%高)とわずかに上昇した。また、同月の国産トウモロコシ価格(東北部産の同港到着価格)は同2.32元(53円、前月比1.8%高)となったが、国産価格の上昇幅が輸入価格の上昇幅を上回ったことから、輸入品と国産品の価格差は拡大した。
25年11月の国産大豆価格、前月からわずかに上昇
2025年11月の国産大豆価格は、前月からわずかに上昇した(図2)。同月の大豆需給を見ると、たんぱく質含有量が多い高品質な大豆の供給がひっ迫する一方、需要は旺盛なため、国産大豆価格は引き続き堅調を維持し、安定的な推移が見込まれている。
各地の価格動向を見ると、主産地である黒竜江省の食用向け国産大豆平均取引価格は、25年11月が1キログラム当たり3.92元(89円、前年同月比2.0%高)と前年同月をわずかに上回った。また、大豆の国内指標価格の一つとなる山東省の国産大豆価格は、同4.46元(101円、同3.8%高)と前年同月をやや上回った。同月の輸入大豆価格は同4.04元(92円、前月比2.5%高)となったが、輸入価格の上昇幅が国産価格の上昇幅を上回ったことで、輸入と国産の価格差は縮小した。
国際相場に影響する大豆の輸入量は、前年に比べて高い水準にある。25年(1〜10月)の輸入量は9567万トン(前年同期比6.4%増)とかなりの程度増加した。また、輸入額は同6.3%減の427億90万米ドル(6兆7280億円:1米ドル=157.56円(注))と報告されている。主な輸入先はブラジル(総輸入量の74.0%)、米国(同17.6%)、アルゼンチン(同4.7%)である。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年12月末TTS相場。
25/26年度のトウモロコシ生産は過去最高を更新、大豆はわずかに増産
中国農業農村部は12月9日、最新の「中国農産物需給状況分析」を公表した。
この中で、2025/26年度(10月〜翌9月)のトウモロコシ生産量は、作付面積および単収の増加により、前年度に続き過去最高となる3億トン(前年度比1.7%増)と見込まれている(表1)。
輸入量は、600万トン(同3.3倍)と大幅な増加が見込まれている。ただし、トウモロコシ生産量が増加する中で、輸入量は近年減少傾向にあり、23/24年度(2341万トン)の2割強程度の水準となっている。
消費量は、2億9902万トン(同0.4%増)とわずかな増加が見込まれており、引き続き消費の6割以上を占める飼料向けがけん引している。
この結果、トウモロコシの過不足は697万トンの余剰(前年度は112万トンの不足)と見込まれている。
同年度の大豆生産量は、作付面積および単収の増加により、2090万トン(同1.2%増)と見込まれている(表2)。
輸入量は、9580万トン(同12.4%減)とかなり大きな減少が見込まれている。中国政府による国産の大豆生産振興政策などから、輸入量は減少傾向にある。
消費量は、1億1415万トン(同3.7%減)とやや減少すると見込まれており、引き続き搾油向けが消費の8割以上を占めている。
この結果、大豆の過不足は240万トンの余剰(同78.9%減)と見込まれている。
(調査情報部 今野 恵太)