25年10月の牛肉生産量、前年同月比5.8%減
欧州委員会によると、2025年10月の牛肉生産量(EU27カ国)は57万2760トン(前年同月比5.8%減)とやや減少した(図1)。相対的に低い飼料価格や牛肉価格の高騰および若齢牛の導入が限定的であったことから、1頭当たり枝肉重量は296.5キログラム(同1.2%増)とわずかに増加したものの、飼養頭数の減少により、と畜頭数が193万1470頭(同6.9%減)とかなりの程度減少したことが影響した。また、同年1〜10月の累計牛肉生産量は526万9200トン(前年同期比3.8%減)と、前年同期をやや下回った。
欧州委員会が25年12月8日に公表した農畜産物の中期的見通し(注1)によると、35年の牛肉生産量は環境規制の強化や農家の高齢化などを背景とした飼養頭数の減少により、23〜25年の平均と比べ9.2%減の610万トンとかなりの程度の減少が予測されている。
25年12月の枝肉卸売価格、前年同月比22.5%高
2025年12月の牛枝肉平均卸売価格(注2)は、1キログラム当たり6.87ユーロ(1270円、1ユーロ:184.86円(注3)、前年同月比22.5%高)と記録的な高値が続いている(図2)。これはEU域内の需給のひっ迫によるものであるとされている。また、現地報道では、これほどの高値は通常であれば牛群拡大の動きを促すところである。しかし、環境規制やアニマルウェルフェアに関する規制の強化による投資や増頭への意欲減衰とそれに伴う牛群縮小の影響も指摘されている。
(注2)若雄牛(A)、去勢牛(C)および若齢牛(Z)のうち枝肉の格
付けが上(R)、枝肉の脂肪の付着度合が平均的(5段階中3)なものの平均価格(A/C/Z-R3)。
(注3)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年1月末TTS相場。
25年1〜11月の牛肉輸出量は減少、輸入量は増加
2025年1〜11月の牛肉輸出量は、38万8425トン(前年同期比12.2%減)とかなり大きく減少した(表1)。域内の牛肉価格が高値で推移していることから国際市場での価格競争力が低下し、品目別では冷蔵牛肉が同9.6%減、冷凍牛肉が同18.2%減とそれぞれ減少した。
一方、同期間の牛肉輸入量は29万4131トン(同17.1%増)と大幅に増加した(表2)。これを品目別に見ると、冷蔵牛肉は同6.2%増、冷凍牛肉は同38.8%増となった。前述の通り域内需給のひっ迫により牛肉価格が史上最高水準に達する中、主要輸入先である南米からの輸入が増加している。
(調査情報部)