25年11月の豚肉生産量、前年同月比0.2%減
欧州委員会によると、2025年11月の豚肉生産量(EU27カ国)は182万1000トン(前年同月比0.2%減)となり、前年同月並みであった(図1、表1)。豚と畜頭数は1899万頭(同0.2%減)、1頭当たりの枝肉重量は95.92キログラム(同0.0%増)と、いずれも前年同月並みとなった。
主要生産国のうちスペインは、同年第2〜3四半期(4〜9月)に域内からの生体豚の輸入頭数を増加(前年同期比60%増)させ、その結果、11月の豚肉生産量が増加(前年同月比2.6%増)した。
供給増加などで、26年1月の豚枝肉卸売価格低下
欧州委員会によると、2026年1月の豚枝肉卸売価格(EU27カ国)は、1キログラム当たり1.57ユーロ(291円:1ユーロ=185.32円(注1)、前年同月比14.8%安)と、前年をかなり大きく下回った(図2)。
この背景には、25年11月下旬にスペインの野生イノシシでアフリカ豚熱(ASF)が確認されたこと(注2)に伴い、各国が一部地域もしくは全土からのスペイン産豚肉の輸入を停止したことが影響している。特に日本やフィリピンなど、スペイン産冷凍豚肉の主要輸入国が受け入れを停止したことで、同国産豚肉がEU域内市場へ流入し、需給が緩んだ影響が大きいとみられる。同月の豚枝肉卸売価格を国別に見ると、スペインの同価格は同1.33ユーロ(246円、同31.5%安)と大幅に下落している。
(注1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年2月末TTS相場。
25年12月の豚肉輸出量、前年同月比4.3%増
欧州委員会によると、2025年12月のEU域外向け豚肉輸出量(EU27カ国)は16万1598トン(前年同月比4.3%増)とやや増加した(表2)。これを主要輸出先別に見ると、中国向けはアンチダンピング関税(注3)の影響により同20.7%減、英国向けは同2.7%減、日本向けはスペインでのASFの確認を受けて同67.5%減少した。一方で、韓国向け(同94.2%増)、フィリピン向け(同2.6%増)、豪州向け(同74.1%増)は増加し、EU全体では前年同月を上回った。
韓国向けの増加は、スペイン産豚肉のうちASF発生地域以外からの輸入を認めていることによる。また、スペイン全土からの輸入を停止しているフィリピン向けはデンマーク産が、豪州向けはオランダ産がそれぞれ大幅に増加した。これらの国の輸出単価はいずれも前年同月を下回っており、生産量の増加やASFに伴う仕向け先の減少が背景にあるとみられる。
なお、同月のスペインのEU域内向け輸出は10万2503トン(同20.0%増)と、大幅に増加した。
(調査情報部)