25年下半期の生乳出荷量は前年同期比3.5%増
欧州委員会によると、2025年12月の生乳出荷量(EU27カ国)は前年同月比6.5%増の1212万トンと、前年同月をかなりの程度上回った。また、同年下半期(7〜12月)の生乳出荷量を見ると、前年同期比3.5%増と前年同期をやや上回った(図1、表1)。下半期の増加には、1)飼料価格の低下と良質な牧草の生育に適した気象条件、2)24年に発生したブルータングによる受胎率低下に伴う出産時期の後ろ倒し、3)安定した乳牛飼養頭数−といった要因が影響したとみられる。これらの結果、25年の生乳出荷量は前年比1.1%増と前年をわずかに上回った。
同委員会によれば、同年の乳固形分(乳脂肪分と無脂乳固形分の合計)は同1.9%増となり、生乳出荷量の増加率を上回った。
26年1月の生乳取引価格は前年同月比12.1%安
欧州委員会によると、2026年1月の生乳取引価格(EU27カ国平均)は、100キログラム当たり47.23ユーロ(1キログラム当たり88円:1ユーロ=185.32円(注)、前年同月比12.1%安)となり、3カ月連続で前年同月を下回った(図2)。現地報道では、生乳出荷量の増加が価格の下降圧力となっていると指摘されている。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年2月末TTS相場。
主要乳製品価格、前年同期を下回る
欧州委員会によると、2026年2月15日の週の乳製品価格(EU27カ国平均)は、バターが100キログラム当たり413ユーロ(1キログラム当たり765円、前年同期比42.5%安)、全粉乳が同309ユーロ(同573円、同28.6%安)、脱脂粉乳が同226ユーロ(同419円、同11.4%安)、チーズが同335ユーロ(同621円、同32.9%安)となり、いずれも前年同期を下回った。一方、前月比では全粉乳が同1.1%高、脱脂粉乳が同8.3%高と前月を上回った(図3)。
25年の主要乳製品輸出量、全粉乳を除き前年を上回る
欧州委員会によると、2025年のEU域外向け乳製品輸出量は、バターが前年比1.2%増、脱脂粉乳が同11.6%増、チーズが同2.6%増と、いずれも前年を上回った。一方、全粉乳は同15.2%減と、前年をかなり大きく下回った(表2)。
チーズの輸出増には、同年の生産量が前年比1.9%増となったことが背景にある。バターについては、アイルランド産が同7.0%増となり、同国の米国向け輸出量が同14.7%増とかなり大きく増加したことが、輸出増をけん引した。脱脂粉乳の生産量も同5.1%増となり、国際市場での価格競争力が高まったことで、東南アジアや中東向けの輸出量が増加した。全粉乳は同8.6%減と生産量が減少し、価格も比較的高水準で推移したため、特にニュージーランド産に対する価格競争力が低下し、輸出量の減少につながった。
(調査情報部)