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国内需給【トピック】畜産の情報 2026年5月号

令和7年(1〜12月)の食肉の家計消費動向

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節約志向が継続する中、価格改定などの影響により外食の売上高は上昇
 一般社団法人日本フードサービス協会の「外食産業市場動向調査(令和7年(2025年))年間結果報告」によると、令和7年の業界全体の売上高は、物価高による消費者の節約志向が強まる中、原材料費の高騰などに起因した価格改定による客単価の上昇、大阪・関西万博の開催による関西圏の需要の押し上げ、過去最高となった訪日外客数などがプラス要因となり、全店ベースで前年比7.3%増となった。
 業態別に見ると、「ファストフード」(前年比7.5%増)、「ファミリーレストラン」(同7.2%増)など、すべての業態で前年を上回った(図1)。
 


 
 日本チェーンストア協会の「チェーンストア販売統計」によると、7年の総販売額は12兆8675億円(前年比2.2%増)となった。
 カテゴリー別に見ると、「食料品」(同3.5%増)、その内数である「畜産品」(同2.4%増)、「住関品」(同0.4%増)はいずれも前年を上回った一方、「衣料品」(同1.8%減)は前年を下回った。「食料品」は、期間を通して節約志向から買上点数の減少傾向が続いたが、店頭価格の上昇や米などの農産品の相場高により売上高は伸びた(図2)。
 
 
 
食肉の購入数量、豚肉と鶏肉が前年を上回る
 総務省の「家計調査」によると、令和7年の家計消費(全国1人当たり)(注)は、購入金額では「生鮮肉」が2万9012円(前年比3.6%増)、「加工肉」が6613円(同2.0%増)、「調理食品」が5万6782円(同4.8%増)、「外食」が6万9254円(同6.3%増)と、いずれも前年を上回った(図3)。
 
(注)1世帯当たりの数値を当該年の世帯人数で除して算出。
 
 
 7年の食肉の購入数量を畜種ごとに見ると、「牛肉」は1885グラム(同2.3%減)と前年を下回った一方、「豚肉」は7703グラム(同1.7%増)、「鶏肉」は6492グラム(同0.5%増)といずれも前年を上回った(図4)。食肉加工品は、「ハム」が747グラム(同5.2%減)と前年を下回った一方、「ソーセージ」は1824グラム(同0.5%増)と前年を上回った。
 
 
 
牛肉:豚肉、鶏肉への需要シフトが継続し、購入金額、購入数量ともに減少
 牛肉の消費構成は、家計消費が減少する一方、外食・中食への仕向け量が拡大する傾向にあり、近年は、外食・中食が全体の消費量の約6割、家計消費が約3割、加工仕向けが約1割で推移している。
 牛肉の令和7年の家計消費(全国1人当たり)を見ると、購入金額は4月、7月、11月を除き前年を下回り、購入数量も年の半分以上で前年を下回った(図5)。前年と比較すると、通年では購入金額、購入数量ともに減少した。
 一般社団法人全国スーパーマーケット協会の「スーパーマーケット白書(2026年版)」(以下「スーパー白書」という)によると、4月は週末の焼肉需要やハレの日需要、7月から9月はバーベキュー需要により、一部店舗で販売が好調で、また、牛肉価格の高止まり傾向が続く中、10月、11月は国産牛肉の販売にやや回復傾向が見られたものの、年間を通じて、牛肉から豚肉、鶏肉へ需要がシフトする傾向が継続した。
 

 
豚肉:牛肉からの需要シフトや輸入品が好調で、購入金額、購入数量ともに増加
 近年の豚肉の消費構成は、最大の仕向け先である家計消費が全体の消費量の約6割、加工仕向けおよび外食・中食が約4割で推移している。
 豚肉の令和7年の家計消費(全国1人当たり)を見ると、購入金額は、2月を除き前年を上回り、購入数量も年の半分以上で前年を上回った(図6)。前年と比較すると、通年では購入金額、購入数量ともに増加した。
 スーパー白書によると、牛肉から需要がシフトする流れが継続する中、国産豚肉の価格高騰により、比較的安価な輸入豚肉が好調に推移した。年の終盤には国産豚の相場が落ち着き、スライスや切り落としなどの販売が伸びた。
 

 
鶏肉:価格高騰も、牛肉からの需要シフトが継続し、購入金額、購入数量ともに増加
 近年の鶏肉の消費構成は、最大の仕向け先である外食・中食が全体の消費量の約5割、家計消費が約5割、加工仕向けが1割未満で推移している。
 鶏肉の令和7年の家計消費(全国1人当たり)を見ると、購入金額はすべての月で前年を上回り、購入数量は年の半分以上で前年を上回った(図7)。前年と比較すると、通年では購入金額、購入数量ともに増加した。
 スーパー白書によると、国内や主要輸入先のブラジルにおける高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)発生の影響により価格が高騰し、数量が伸び悩んだ店舗も見られたものの、年間を通じて、牛肉から需要がシフトする傾向が継続した。
 

 
ハム・ソーセージ:購入金額は増加、購入数量は減少
 ハムおよびソーセージの令和7年の家計消費(全国1人当たり)を見ると、ハムは、購入金額は年の半分で前年を上回った一方、購入数量は10月と12月を除き前年を下回った。ソーセージは、購入金額は4月と12月を除き前年を上回った一方、購入数量は年の半分で前年を下回った(図8)。
 スーパー白書によると、ハムなどの加工肉は、一時回復傾向が見られたものの、年間を通じて、動きが鈍かった。
 

 
(畜産振興部)