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海外需給【豚肉/EU】畜産の情報 2026年5月号

25年の豚総飼養頭数、前年をわずかに下回る

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25年の豚総飼養頭数、前年比0.5%減
 欧州委員会によると、2025年12月時点の豚総飼養頭数(EU27カ国)は1億3152万頭(前年比0.5%減)となった(表1)。内訳では、繁殖用豚が1039万頭(同0.5%増)、肥育豚(50キログラム以上)が5398万頭(同1.1%増)と、いずれも前年をわずかに上回った一方、育成豚(50キログラム未満)は6715万頭(同1.9%減)と前年をわずかに下回り、総飼養頭数の減少に影響した。
 主要豚肉生産国の動向を見ると、スペインでは慢性的な豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)の流行などにより、育成豚が1663万頭(同10.2%減)とかなりの程度減少した。オランダでは政府による廃業支援などを背景に、総飼養頭数が1979年以来初めて1000万頭を下回った。
 

 
25年12月の豚肉生産量、前年同月比6.8%増
 欧州委員会によると、2025年12月の豚肉生産量(EU27カ国)は185万2000トン(前年同月比6.8%増)となり、前年同月をかなりの程度上回った(図1、表2)。1頭当たりの枝肉重量のわずかな増加(同0.5%増)に加え、豚と畜頭数が1954万頭(同6.3%増)と前年同月をかなりの程度上回ったことが生産量全体の増加につながった。25年累計(1〜12月)の豚と畜頭数は、2億2818万6000頭(前年比2.7%増)と、新型コロナウイルス感染症やドイツにおけるアフリカ豚熱(ASF)の拡大により23年に2億1990万4000頭(同7.1%減)まで減少した後、2年連続で増加した。



 
 
生産増加などを背景に、26年2月の豚枝肉卸売価格は低下
 欧州委員会によると、2026年2月の豚枝肉卸売価格(EU27カ国)は、1キログラム当たり1.50ユーロ(277円:1ユーロ=184.91円(注1)、前年同月比17.2%安)と、前年同月を大幅に下回った(図2)。
この背景として、スペインで野生イノシシのASFが引き続き確認されていること(注2)に伴う域内需給の緩和が挙げられる。加えて、24年までの堅調な価格を反映した豚肉の増産や、中国によるEU産豚肉に対するアンチダンピング関税の賦課(注3)なども影響している。

(注1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年3月末TTS相場。
(注2)海外情報「カタルーニャ州で野生イノシシのアフリカ豚熱感染確認が続く、豚肉価格は軟化傾向(EU)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_004295.html)をご参照ください。
(注3)海外情報「EU産豚肉に対し中国がアンチダンピング関税賦課を開始(EU、中国)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_004272.html)をご参照ください。
 


 
25年の豚肉輸出量、前年比1.3%増
 欧州委員会によると、2025年のEU域外向け豚肉輸出量(EU27カ国)は203万4488トン(前年比1.3%増)とわずかに増加した(表3)。主要豚肉輸出国であるスペインは、韓国(同55.4%増)や英国(同9.2%増)向けの輸出が増加したものの、ASFや中国のアンチダンピング関税の影響を受け、わずかな増加(同0.9%増)にとどまった。一方、デンマークでは、スペインからの切り替えが進んだことなどで、フィリピン(同41.3%増)向けのほか、台湾(同約3倍)やウクライナ(同約30倍)向けなどが増加し、かなり大きく増加(同11.8%増)した。
 
(調査情報部)