25年の乳用経産牛飼養頭数は前年比0.7%減と10年連続で減少
欧州委員会によると、2025年12月時点の乳用経産牛飼養頭数(EU27カ国)は、1908万5000頭となり、前年比0.7%減と10年連続で減少した(表1)。EU域内外における記録的な牛肉価格の高騰を背景としたと畜頭数の増加などが飼養頭数減少の一因とみられる。一方、同年の1頭当たり乳量は7724キログラム(前年比2.1%増)と前年に比べわずかに増加した。これに伴い、EU全体の生乳出荷量も1億4742万(同1.3%増)と前年をわずかに上回った。
26年1月の生乳出荷量は前年同月比5.2%増
欧州委員会によると、2026年1月の生乳出荷量(EU27カ国)は前年同月比5.2%増の1226万トンと、前年同月をやや上回った(図1、表2)。すべての主要生産国で前年同月を上回り、比較的安い飼料価格や25年を通じて高水準で推移した乳価などを背景に増産基調が継続している。
同委員会によれば、同月の乳脂肪分は4.31%、無脂乳固形分は3.54%となり、それぞれ前年同月を0.05ポイント、0.03ポイント上回った。
26年2月の生乳取引価格、前月割れが継続
欧州委員会によると、2026年2月の生乳取引価格(EU27カ国平均)は、100キログラム当たり44.01ユーロ(1キログラム当たり81円:1ユーロ=184.91円
(注)、前年同月比18.2%安)となった(図2)。25年9月まで堅調に推移したものの、生乳出荷量の増加が価格の下落圧力となり、5カ月連続で下落した。英国農業園芸開発委員会(AHDB)によると、生乳価格の下落に加え、環境規制の強化などによる規制コストの上昇も重なり、生産者の経営利益は圧迫されている。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年3月末TTS相場。
主要乳製品価格、前年同期を下回る
欧州委員会によると、2026年3月29日の週の乳製品価格(EU27カ国平均)は、バターが100キログラム当たり435ユーロ(1キログラム当たり804円、前年同期比41.4%安)、全粉乳が同340ユーロ(同629円、同22.7%安)、チーズが同330ユーロ(同610円、同30.3%安)と、いずれも前年同期を下回った(図3)。一方、脱脂粉乳は同259ユーロ(同479円、同4.7%高)、ホエイパウダーは同131ユーロ(同242円、同26.9%高)と、前年同期を上回った。
欧州の主要乳製品価格は、世界的な生乳生産の増加を背景に、25年9月以降、バターや全粉乳を中心に大幅な下落が進んだものの、26年3月の価格を見ると、イースター需要などの季節要因もあり、前月比ではいずれも上昇した。AHDBによると、中東における混乱を背景に、乳製品の備蓄需要や、保存性の高い粉乳などの需要が増加する可能性があるという。
(調査情報部)