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海外需給【牛乳・乳製品/NZ】畜産の情報 2026年5月号

25/26年度の生産者支払乳価を2カ月連続で引き上げ

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26年2月の生乳生産量、前年同月比6.0%増
 ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2026年2月の生乳生産量は197万7000トン(前年同月比6.0%増)と、10カ月連続で増加した(図1)。また、2025/26年度(6月〜翌5月)の2月までの生乳生産量も、1788万2000トン(前年比2.7%増)と前年度を上回って推移している。
 2月の生乳生産量の増加要因についてニュージーランド証券取引所(NZX)は、25年は北島、南島のいずれも干ばつに見舞われたが、26年は好天に恵まれ牧草の生育環境が良好であったことが寄与したとしている。
 今後の生乳生産の見通しについてNZXは、牧草の成長が鈍化する時期に入るものの、酪農家には補助飼料の備蓄があることから、良好な生産環境が持続すると予想している。一方で、中東情勢の長期化により肥料や輸入飼料価格が上昇すれば、経営環境が一変するのではないかと懸念している。
 

 
26年2月の乳製品輸出量、脱脂粉乳、チーズで減少
 ニュージーランド統計局(Stats NZ)によると、2026年2月の乳製品輸出量は、主要4品目のうち脱脂粉乳、チーズが前年同月を下回った一方、全粉乳、バターおよびバターオイルは前年同月を上回った(表、図2)。品目別に見ると、脱脂粉乳は中国、マレーシア向け、チーズはインドネシア向けがいずれも減少した一方、全粉乳は中国、アラブ首長国連邦向け、バターおよびバターオイルは中国、英国向けがいずれも増加した。2025/26年度累計(25年6月〜翌2月)では、脱脂粉乳を除く主要3品目が前年同期を上回った。
 



 
 
26年3月17日のGDT平均取引価格、全粉乳を除き前回を上回る
 2026年3月17日開催のGDT(注1)平均取引価格は、全粉乳を除く主要3品目が前回開催時(26年3月3日)を上回った(図3)。取引全体では、全乳製品の平均取引価格は1トン当たり4330米ドル(69万6610円、1米ドル=160.88円(注2)、前回比0.7%高)とわずかに上昇した。
 NZXによると、ホルムズ海峡周辺での混乱の継続や原油価格の上昇を背景に、物流や輸送手段の確保に対する懸念から、備蓄としての駆け込み需要があったとみられている。特に脱脂粉乳については、中国からの需要が低下している中で、東南アジアや中東からの需要に支えられ、前回開催時の価格を上回ったとみている。
 このような中、NZ乳業最大手のフォンテラ社は26年3月23日、2025/26年度の生産者支払乳価について、生乳の固形分(注3)1キログラム当たり平均0.20NZドル(19円:1NZドル=93.52円(注2))引き上げ、同9.70NZドル(907円)にすると発表した。また、同乳価の予測範囲を同9.20〜9.80NZドル(860〜916円)から9.40〜10.00NZドル(879〜935円)に上方修正すると発表した。この理由について同社のハレル最高経営責任者は、フォンテラ社の堅調な販売契約実績と同社製品に対する需要の高まりを踏まえたものと説明している。

(注1)グローバルデイリートレード。月2回開催される電子オークションで、当該価格は乳製品の国際価格の指標とされている。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年3月末TTS相場。
(注3)乳脂肪分および乳たんぱく質。

 

 
(調査情報部)