(1)バター
令和6年度の推定出回り量(推定消費量)
(注1)8万3500トン(機構「バターの需給表」)について、流通経路、業種別および用途別消費量の推計を行った。なお、本稿において推定出回り量は、100トン単位で端数処理(四捨五入)している点にご留意願いたい。
(注1)推定出回り量(推定消費量)=前年度末在庫量+当年度生産量+当年度輸入量−当年度末在庫量
ア 流通経路
推定出回り量のうち、国産品(乳業メーカーの自社製造と在庫取り崩しの合計)は7万400トン(出回り量に対する構成比84.3%)、輸入品(機構の輸入・売渡しを通じて乳業メーカーが保有したものの取り崩しと、乳業メーカー以外への機構の輸入・売渡しの合計)は1万3100トン(同15.7%)となった(図1)。
乳業メーカーの社内消費は5900トン(同7.1%)、乳業メーカーからの社外販売は6万4500トン(同77.2%)となった。
乳業メーカーなどから需要者に供給される流通経路では、一次卸を通じた販売が6万7100トン(同80.4%)と大きな割合を占めている。
イ 業種別消費量
業種別消費量を見ると、業務用が5万6100トン(推定消費量に対する構成比67.2%)と最も多く、家庭用(小売業向け)が2万1500トン(同25.7%)、乳業メーカー(社内消費)が5900トン(同7.1%)となった(表1)。業務用の内訳では、菓子メーカー向けが2万9400トン(同35.2%)と最も多い。
業種別消費量の国産品と輸入品の内訳を見ると、国産品は菓子メーカー向けが国産品全体の32.7%と最も多く、次いで家庭用(小売業向け)が30.0%となった。輸入品も菓子メーカー向けが48.9%と最も多く、次いで加工油脂メーカーが16.8%となり、家庭用(小売業向け)は3.1%と少ない。
令和5年度と比較すると、乳業メーカーの社内消費が減少した一方で、調理食品メーカー、菓子メーカーにおける消費が増加した。
ウ 用途別消費量
バターの用途別消費量(推定)の割合を見ると、菓子・デザート類向けが2万8100トン(用途別消費量に対する構成比33.7%)と最も多く、次いで、家庭用(小売業向け)が2万1500トン(同25.7%)、パン類向けが8400トン(同10.1%)、外食・ホテル業向けが7400トン(同8.9%)となった(表2)。
国産品では、品質や風味などから国産を重視する菓子・デザート類が2万2500トン(国産品消費量に対する構成比32.0%)と最も多く、次いで家庭用(小売業向け)が2万1100トン(同30.0%)、外食・ホテル業が7200トン(同10.2%)、パン類が6800トン(同9.7%)となった。
輸入品では、菓子・デザート類が5600トン(輸入品消費量に対する構成比42.7%)と最も多く、次いでマーガリン類が2600トン(同19.8%)、パン類が1600トン(同12.2%)、アイスクリーム類が1400トン(同10.7%)となり、これらを合わせて8割を超え、家庭用(小売業向け)は400トン(同3.1%)と少ない(表2)。
令和5年度と比較すると、従来から割合の高い菓子・デザート類のほか、アイスクリーム類、調理食品、家庭用(小売業向け)が増加したものの、それ以外の品目はいずれも減少し、特に、乳等主要原料食品、外食・ホテル業での減少が目立った。
(2)脱脂粉乳
令和6年度の推定出回り量15万700トン(機構「脱脂粉乳の需給表」)について、流通経路、業種別および用途別消費量の推計を行った。
ア 流通経路
推定出回り量のうち、国産品(乳業メーカーの自社製造と在庫取り崩しの合計)は15万200トン(推定出回り量に対する構成比99.7%)、輸入品(機構の輸入・売渡しを通じて乳業メーカーが保有したものの取り崩しなどと乳業メーカー以外への機構の輸入・売渡しの合計)は500トン(同0.3%)となった(図2)。
また、乳業メーカーの社内消費は4万700トン(同27.0%)、乳業メーカーからの社外販売は10万9500トン(同72.7%)となった。
脱脂粉乳は、一般的に加工食品向けの原材料となることから、家庭用(小売業向け)としての消費量はごく少量であり、はっ酵乳や乳飲料などを生産する乳業メーカーでの社内消費の割合が高いことが特徴となっている。
イ 業種別消費量
脱脂粉乳の業種別消費量(推定)を見ると、業務用が10万9700トン(業種別消費量に対する構成比72.8%)と最も多く、乳業メーカー(社内消費)が4万700トン(同27.0%)と続き、家庭用(小売業向け)は300トン(同0.2%)とごくわずかであった(表3)。業務用の内訳では、乳業・アイスクリームメーカーが3万7000トン(同24.6%)と最も多く、次いではっ酵乳・乳酸菌飲料メーカーが3万4900トン(同23.2%)となっている。
国産品では、乳業メーカー(社内消費)、乳業・アイスクリームメーカーおよびはっ酵乳・乳酸菌飲料メーカーで全体の7割以上を占め、輸入品は、はっ酵乳・乳酸菌飲料メーカー、飲料メーカーおよび菓子メーカーのみで消費されている。
ウ 用途別消費量
脱脂粉乳の用途別消費量を見ると、はっ酵乳・乳酸菌飲料向けが6万8400トン(構成比45.4%)と最も多く、全体の約4割以上を占めている(表4)。次いで、乳飲料向けが2万1500トン(同14.3%)、アイスクリーム類が1万4800トン(同9.8%)となった。
令和5年度と比べると、アイスクリーム類(前年度比9.6%増)、はっ酵乳・乳酸菌飲料(同0.7%増)は増加したものの、その他の品目は前年同または減少となっており、特にその他(同48.7%減)、菓子・デザート類(同21.1%減)、乳飲料(同5.7%減)での減少が大きい。その他については、在庫低減対策による飼料向け、輸出向けの減少によるものである。
(3)チーズ
ア ナチュラルチーズ(プロセスチーズ原料用以外)
令和6年度のナチュラルチーズ(プロセスチーズ原料用以外)の推定消費量21万5500トン(機構調べ)の種類別および業種別消費量の推計を行った(図3)。
(ア)種類別消費量
総消費量21万5500トンのうち、輸入品が18万1100トン(総消費量に対する構成比84.0%)、国産品が3万4400トン(同16.0%)となった。種類の内訳は、シュレッドタイプが11万9200トンと最も多く、次いでクリームタイプが6万4000トンとなった。
シュレッドタイプは輸入品が10万9500トン、国産品が9700トンであり、消費量の9割以上を輸入品が占めている。また、クリームタイプも輸入品が5万8800トン、国産品が5200トンと、同じく輸入品が9割以上を占めた。
最も消費量の多いシュレッドタイプの業種別の使用内訳を見ると、家庭用(小売業向け)が3万2900トン(シュレッドタイプ推定消費量に占める構成比27.6%)、次いで乳業メーカー、宅配ピザ、外食・ホテル、調理食品メーカーの順となった。
また、国産品の消費量を種類別で見ると、シュレッドタイプが最も多く(国産品全体に占める割合は28.2%)、次いでその他フレッシュ系(ストリングチーズなど。同25.3%)、クリームタイプ(同15.1%)、カマンベール(同14.0%)およびフレッシュ・モッツァレラ(同14.0%)の順となった。
令和5年度と比べると、クリームタイプの増加(前年度比14.7%増)が目立った。この要因としては、バターなどの代替品として、乳脂肪を補う目的で使用されるものが増えたことが考えられる。
(イ)業種別消費量
業種別の内訳では、家庭用(小売業向け)が6万2100トン(全体に占める割合は28.8%)と最も多く、次いで乳業メーカーが3万5900トン(同16.7%)、調理食品メーカーは3万3200トン(同15.4%)となった(表5)。家庭用(小売業向け)のうち、輸入品は4万3600トン、国産品は1万8500トンと、輸入品が全体の約7割を占め、乳業メーカーについては、輸入品が3万400トンと全体の8割以上を占めている。
令和5年度と比較すると、総消費は前年度比3.9%増となり、特に菓子メーカー(前年度比14.6%増)や調理食品メーカー(同13.0%増)での増加が目立った。一方で、乳業メーカー(同5.8%減)は唯一の減少となった。
イ プロセスチーズ
令和6年度のプロセスチーズの推定出回り量11万5200トンについて、流通経路および業種別消費量の推計を行った(図4)。
(ア)流通経路
国内製造量の大半である11万4500トン(推定出回り量に対する構成比99.4%)が、乳業メーカーなどからの社外販売であり、その5割以上が、一次卸を経由して流通した(図4)。一方、全需要の7割以上を占める家庭用(小売業向け)への流通経路を見ると、直接販売が過半を占めた。
(イ)業種別消費量
家庭用(小売業向け)は8万3400トン(業種別消費量に対する構成比72.4%)と最も多く、業務用は3万1100トン(同27.0%)、乳業メーカー(社内消費)は700トン(同0.6%)となった(表6)。また、業務用の内訳を見ると、外食・ホテル業が1万7700トン(同15.4%)と最も多く、次いで調理食品メーカー(同5.2%)、サンドウィッチをはじめとする調理パンなどへの使用が多いパンメーカー(同3.0%)、菓子メーカー(同2.4%)の順となった。