SKLVの最大の特色は、「学ぶ・実習する・食べる・泊まる」がすべて同一敷地内で完結する点にある。旧財部高校校舎をリノベーションした講義室・会議室・宿泊施設(全28室)の他、食堂、レンタルオフィスなどを備え、多様な学習環境を実現している(図2)。
施設は主に三つのエリアで構成される(図3)。
「産業動物モデル飼育エリア」は、牛・鶏の畜産獣医学実習、研究などの中心で次世代閉鎖型牛舎、研究用鶏舎が整備されている。ここで特筆すべきは、SKLV内の牛舎のすべての牛は、JA鹿児島県経済連がテナント事業として黒毛和牛の繁殖・肥育一貫飼育を行っているもので、教育用に特別に用意された産業動物ではなく、実際に経済的価値を持つ肉用牛を対象に、診療・衛生管理実習などの実践経験を積めることが大きな特徴である。この現実感が、学生の学びを実体の伴ったものにする。民間事業者の経営と大学の教育が同じ敷地に共存するこのモデルは、施設の持続可能性を支える根幹でもある。
「地方創生エリア」は、講義室、会議室、宿泊施設などを備えた中核施設で、ICT(情報通信技術)関連企業や地域事業者の活動拠点としても機能する。
「馬エリア」は、厩舎、屋内外馬場を備え、馬の診療実習から乗馬体験、地域イベントまで幅広い目的に対応可能である。
また、旧財部高校校舎をリノベーションした施設であることから、「教室で講義を受け、歩いて畜舎へ向かい、実習後に仲間と食事をしながら振り返り、宿舎に泊まる」という一日が、すべて施設内で完結する。希望者は、深夜の牛の分娩介助にも立ち会うことができ、都市部のキャンパスを拠点とする大学では得難い現場環境が整っていることも魅力の一つである。