26年2月の生乳出荷量は前年同月比5.1%増
欧州委員会によると、2026年2月の生乳出荷量(EU27カ国)は前年同月比5.1%増の1152万トンと、前年同月をやや上回った(図1、表1)。主要生産国別に見ると、いずれも前年同月を上回り、増産基調が継続している。現地報道によると、1)25年上期に乳価が高水準で推移したことを背景に牛群の維持や後継牛の確保が進んだこと、2)牛群の更新により能力の高い経産牛(初産牛を含む)に置き換わったことで1頭当たり乳量が増加したこと−により、生乳出荷量の増加が継続しているとみられている。
同委員会は、26年春季の短期的需給見通しで、同年の生乳出荷量について、第1四半期(1〜3月)に増加した後、下半期(7〜12月)に減少に転じると見込んでいるものの、年間では堅調な域内需要に支えられることで、26年の生乳出荷量は前年比0.2%増の前年並みと予測している。
26年3月の生乳取引価格、前月割れが継続
欧州委員会によると、2026年3月の生乳取引価格(EU27カ国平均)は、100キログラム当たり43.14ユーロ(1キログラム当たり81円:1ユーロ=188.87円
(注)、前年同月比18.9%安)となった(図2)。25年10月以降、生乳出荷量の増加が価格の下落圧力となり、6カ月連続で下落したが、26年3月の乳製品価格の一時的な回復を受け、同月の下落幅は前月に比べて縮小した。欧州委員会によると、乳製品価格は26年2月以降、安定または上昇する傾向にあり、これに伴い今後は生乳取引価格も落ち着く可能性があるとしている。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年4月末TTS相場。
バターとチーズ価格は前年同期を下回るも、粉乳類は上昇の傾向
欧州委員会によると、2026年4月12日の週の乳製品価格(EU27カ国平均)は、バターが100キログラム当たり417ユーロ(1キログラム当たり788円、前年同期比43.6%安)、全粉乳が同342ユーロ(同646円、同21.6%安)、チーズが同312ユーロ(同589円、同32.3%安)と、いずれも前年同期を大幅に下回った(図3)。一方、脱脂粉乳は同259ユーロ(同489円、同6.0%高)、ホエイパウダーは同145ユーロ(同274円、同39.7%高)と、前年同期を上回った。
現地報道によると、脱脂粉乳については、1)チーズやホエイの生産を優先している米国からの供給が減少したこと、2)ニュージーランドでは季節的に生乳生産が終了する時期に差し掛かっていること、3)中東の不安定な情勢により同地域からの需要が増加していること−などを背景とした欧州産に対する国際市場での需要の拡大により、価格が上昇している。また、ホエイについては、1)ホエイ成分が、医療用途など新たな用途拡大などを背景に、濃縮ホエイたんぱく質(WPC)や分離ホエイたんぱく質(WPI)に仕向けられていること、2)乾燥工程の処理能力がひっ迫していること−などから価格が上昇している。
(調査情報部)